おきらくごくらく。

山と自然と不思議。日常のあれこれの雑記ブログ。

戌年の山登り。伏姫と八房・南総里見八犬伝の山と房総のマッターホルン

 

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いや〜〜、いい眺め!!!!

房総の海が見えます、きれいい・・・。

 

 

事の始まりは先週のこと。

親しい友人夫妻と近場を散策していたら、

 

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赤い山門が美しい・・・。

 

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(この石段がひとつだけ、いつも濡れてるとつい最近TVで出たそうな)

 

 

市川にある真間の手古奈(平安時代の絶世の美女)堂の上にある

弘法寺に行ったんですが、

その時たまたま今まで気がつかなかった

小さな池を周囲に巡らせた、変わったお堂が気になって

近づいてみると

『里見龍神社』と書いてありました。

 

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気になって由来を見ると、

正直よく分からなかったんですが、

伏姫由来の品?(白蛇と小鳥二羽の亡骸)を、

様々な不思議が起こって、

『里見由来の真間の土に返して欲しい』と

青森弘前から小堀氏という方がここに持ってきて、

その後も不思議があったことからこの祠を

建てた、ということらしいです。

 

里見?伏姫?

南総里見八犬伝!?

て、あれ確か滝沢馬琴の創作じゃなかったっけ?

と不思議に思ってるところにLINEが入ってるのに

気が付いて、開いてみたら

 

まさしく八犬伝の舞台富山(とみさん)と、

房総のマッターホルン(ほんとか〜)と言われる

伊予ガ岳のガイドの依頼が。

 

こういうタイミングのご縁のお話って、

不思議と結構あったりするので面白い。

 

 

 

ということでさっそくやってきました!!!

 

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登山道入口の平群天神社(へぐりてんじんじゃ)の

社殿のはるか上に立ち上がる岩山!!!!

 

あれこそが房総のマッターホルン(≧∇≦)と呼ばれる

伊予ガ岳です!

神社から片道約一時間ほど。(近いな!)

神社の鳥居のなかに、駐車場とWCがあります。

ありがたし。

 

東屋のある所までがハイキングコースで、

そこから先は、自己責任の岩場となっています。 

 

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東屋。

 

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こんな感じ。 

ロープと鎖が三本ぐらいベタ張りしてありますが、

そこそこちゃんとした岩場が続きます。

お天気よいときは快適ですが、

濡れてるとかなり滑るので、ご注意くださいね!

 

 

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なかなか高度感〜〜

 

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山頂!下から見えた岩場の頭です。

 

 

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となりの北峰まで10分ぐらい。

 

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北峰から見た、あれが南総里見八犬伝の舞台富山(とみさん)です。↑

そして振り返ると、

 

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先ほどの山頂が見えます。

いいねいいね〜〜!!!

 

 

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上り下りはこんな感じ。

休日は渋滞します(笑)

 

 

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景色の変化がとても良い山です。

 

 

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こんなところが房総にあったのか!

今まで見て来た場所と全く違うので、

正直ちーばのイメージがすごく変わりました。 

 

森も、山も、すごくいい。

ちーば、やはりまだまだ侮りがたい・・・・。

 

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ここから富山まで、縦走すると4時間半ぐらいかかるそうですが、

今回は車で登山口の福満寺の少し南の富山登山駐車場(無料)へ。

 

福満寺でWCと、必要な人は竹の杖も借りられます

なんて親切!!

 

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なかなか急な登りですが、

周囲の木々や森が、すごく良い雰囲気です。

 

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マメヅタがキラキラして見えます。

きれい・・・・

 

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そしてようやく南峰へ。

なかなか迫力のある地蔵堂の上に、

ピークがあります。

 

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そこから少し行くと、素晴らしい眺めの展望地に。

 

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お!八犬士終焉の地とな・・・

お話しの最後、どうなるんだったっけ・・・。

 

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10分ぐらい登ると、北峰の山頂に到着。

公園のようになっていて、

展望台が作られていて、登ると大島や東京観音まで

見えます。

皇太子と雅子さんが登られたときに、整備されたんでしょうかね。

 

 

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下山は少し戻って伏姫の籠穴ルートへ。

 

しばらくものすごく段差の大きな階段下りが続きます。笑 

それほど長くなく、林道に出るのでご安心を。

 

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自然の雰囲気がすごく良いです。

 

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おお!着いた。

予想に反して、えらく立派な門が・・・。

 

ここに借りた杖を返す場所とWC、

駐車スペースもあります。 

 

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中は思っていたより広く、

不思議な雰囲気です・・・。

 

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一番高く、深い場所に

 

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この門は、開いていない時もあるようです。

 

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岩の間につけられた、小さな階段を上がると

 

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中はとても広くてあたたかそう・・・

 

なんなの?ここ??

 

という方のためにざっくり南総里見八犬伝を解説すると、

江戸時代に滝沢馬琴という人が

28年もかけて創作した

超長いドラマティックなお話なんですが、

 

室町時代に安房に落ち延びた里見義実が、

飢饉のときに助けた相手に、

翌年自分の領地が飢饉になったらあろうことか攻め込まれ、

もはやこれまでとなった夜、

飼い犬の八房(やつふさ)に、

 

『敵将の首を取ってきたら娘の伏姫をやろう。』

 

と戯れに言うと、

本当に八房は敵の首を取ってきてしまい、

伏姫以外のものを受け取ろうとせず、

怒って八房を殺そうとする義実を諌めて、

伏姫は八房の背に乗り

深い山の洞窟に去ります

 

そして何年後かに伏姫を取り返しに来た

部下の放った弾に当たり、

八房も伏姫も命をおとすのですが、

そのとき仁義礼智忠信孝悌八つの玉が飛び散り、

それらの玉を持って産まれてきた8人が、

伏姫と八房の子供達、八犬士として里見家を助けて行くという、

勧善懲悪・因果応報の超長編物語なのです。

トールキンの指輪物語シリーズよりかは長くないかも(笑)・・・

ってぐらい長いです。

 

そういえば、指輪物語と似てるかも知れません。

運命の仲間と出会い、呪いや玉梓の怨霊と闘い、

犬坂毛野のような美青年もいて、

妖刀村雨丸などのアイテムが登場し・・・・。

そのうちアニメ化なるかも?

 

ちなみに八犬士全員の姓に犬の字が入ってます。

このグループアイドル感!!!!

時代の遥か先端というか、下地をつくっていたのではないでしょうか?

 

 

 

実は小学生の時、

NHKの辻村ジュサブローの人形劇の八犬伝が大好きで、

下敷きとか持ってたの思いだしたんですが、

また再放送しないかなあ・・・。

たしか語りが坂本九ちゃんだった記憶があります。(←年バレ)

 ♪ イザとなったら玉を出せ ♪

のフレーズは死ぬまできっと私の耳から消えないでしょう・・・・。

 

 

 

まあつまりここは、八房と伏姫が暮らして

永遠の眠りについている洞窟ということなんですが、

 

実際この籠穴は、誰が作ったのかわからないそうです。

けれど谷あいのこの絶好な場所と周りの不思議な雰囲気に、

この洞穴、全然住める・・・!

と思ってしまいました。笑

しかもかなり快適そう。

 

 

掘ったにしては掘り痕が見えないし、仮に自然に出来たのなら、

房総で今までこのような自然洞穴を見たことがありません。

すごーく不思議。

ここを作った人にいつか色々聞いてみたい。

 

興味のない人には?な場所ですが、

なぜだかとても素敵なところでした。

 

 

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洞窟の上に、梅の花が満開に咲いていました。

本当のお話しではないのですが、

なにか少し切ない気持ちになりました。

 

 

 

実際の里見義実には娘がいなかったようで、

元々群馬から房総にやって来て、

戦国時代に君臨し、江戸時代に

徳川家によって鳥取に移されたときが、

事実上の里見家の終焉となったようです。

 

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『ふわ〜〜!見て!  キレイな夕日〜〜!!!!』

 

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『ふじさ〜〜〜ん!!!!きれ〜〜!!!』

 

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ドバッシャーーーーン

 

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バチバチバチ(波しぶきが直撃する音)

 

 寒い!冷たい!!しぬ~~~~

 

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帰りは漁港のばんやの湯で、

お風呂と美味しいおまかせ丼がオススメです。

お風呂は24時間で宿泊も可。

ごはんは19時までとか早いので、

ご注意下さいね。

 

 

ちーばには山がない! 

面白味に欠けるなあ

 

なんて思っていたら、目からウロコでした。

 

伊予ガ岳だけでもかなり楽しめますので、

房総の山登りを堪能したい方にはオススメです!

 

 

行ってらっしゃ〜〜い