ちーば探検隊、2018年の旅初め。
一気に知名度の上がったチバニアン。
77万年前の、S極N極の地場逆転現象の痕跡を顕著に残す
千葉県市原市にある地層の崖。
およそ2年前、それまでほとんど縁のなかった
房総の森に入ったとき、
「なんだろうこの感じ????
今まで入ってきたどの森とも違う・・・・。
森自体というか、この房総の土地自体が若い(新しい)んじゃないかな?」
となんとなく感じていました。
それと7年前にこの記事を見たことも気にかかっていました。
ご存知青木ヶ原樹海のケービング(洞窟)ガイドを
長年やってきたんですが、
よくみなさんが思っている「コンパスの針がクルクル回る現象」を
樹海の中で一度たりとも目にしたことは実はありません(笑)
なぜコンパスが狂うと言われているのかというと、実際は
富士山から流れ出た溶岩に含まれる鉄分が磁気を帯びていて、
岩に近付けると、あちらとこちらで磁針の差す角度が何度かちがう
といったレベルのもので、
(まあずっとコンパスであらゆる場所を確認した訳ではないのですが)
「コンパスくるくる現象」は、
もしあるとしたら、ものすごく珍しい現象で、
きっとなにか大きな原因があると思っていました。
それが昨年のチバニアンの話題で、
調べて見たら、千葉の房総は日本で最も遅く出来た土地だとわかってきました。
やっぱり!!!!
房総半島のコンパスが動くと言う件も、
チバニアン断層がここにある!ということで、
なにか手掛かりができた気がします。
オカルトじゃなかったんですね~~~
で、この話題のチバニアンの南側、
千葉県夷隅郡大多喜町にある養老渓谷の周辺が、
どうやら探検すべき沢や谷や自然があるんじゃないかと
以前から目をキラ~~リと光らせており、
2018年幕開けと共に、さらっと行ってみました!!!
養老渓谷の中瀬遊歩道には、駐車場がありますが、
料金はだいたい500円。
ここは弘文洞と呼ばれる140年前の川まわしの隧道(トンネル)あとで、
上の部分が崩壊してこのような状態になったそうです。
川まわしというのは、
千葉県上総南部の丘陵にある川にのみ見られる特殊な河川工事のことで、
農地開拓のために隧道や切通しを掘って、
川の褶曲する近い部分をつなげ、
それまで川だったところを水田にするのだそうです。
手堀りで堀ったのすごいですね・・・!
(日本中にあったという説もあるようです。
他では今の所見たことないなあ)
けっこう房総の山の中にも残っているようなのですが、
地層が脆いせいもあり、
崩落しているところもたくさんあるようです。
有名な濃溝の滝も同じ川まわしの隧道で、
この上を国道が通っています。
本当に房総は光の角度が非常に独特で美しい。
地層を見ていると火山灰できた層や泥岩砂岩が多く、
海底で圧力を受けて固まったやわらかい砂や土の層があがってきたイメージです。
遊歩道から上がって左にトンネルを通ると、
不思議な景色が。
温泉や足湯のある国道を駐車場まで戻って、
ふたつ繋がった面白い太鼓橋を渡ってみると、
アップダウンのある山道が続き、
登って行くと、高台に立國寺という出世観音を祀ったお寺がありました。
房総には源頼朝が逃げてきた話が数多く残っていて、
ここの観音様には、頼朝が再起をかけて祈願したという謂れがありました。
立身出世!!!!
もちろんお参りしました(笑)
もう紅梅がきれいに咲いていました。
たわわに実る万両の実。
さてそこから81号線を南下し、
同じ養老渓谷の小沢又の滝に向かいました。
ここにも大きな駐車場があり、
ここからまた養老川を粟又の滝(養老の滝)まで歩きます。
(駐車料金はやはり500円。)
ひょっとしてここがあの昔話の
孝行息子が見つけたという酒の湧く養老の滝!?!!!
とちょっとコ―フンしたんですが、
あのお話しの養老の滝は岐阜県にあるそうです、ザンネン・・・・
房総の川らしく、浅い川床に水の流れる広い川幅の渓谷が続きます。
ところどころ薄氷が張っています。
アオサギでしょうか?
大きく美しい姿で、
まだ温かく、キズも無いようでした・・・・
万代の滝。
近付いてみると、見事なポットフォールが。
中はどうなっているのかな・・・
手が・・・冷たくてちぎれそうwww
水量がおおくなり、水流が強くなると、
これらの石が洗濯機のなかのようにグルグル回り、
少しずつ穴を削って大きくしていくのです・・・・・。
養老の滝、またの名を粟又の滝。
夏場は大勢の人がここで水遊びをするようです。
滝つぼの深さはそれほどでもありませんが、雨後などの水量が
増えた時は水中で水が巻いたりするのでご注意下さい。
(浅いですが、2年前にここで中学生の心肺停止事故が起きています。)
粟又の滝の上流部。
いまは結構氷結しているので、
歩く人は気をつけて。
滑ったらそのまま滝つぼまで一直線です。
ひゅ~~~~~
いちばん上流部に、
トンネルと大きめのポットフォール。
こりゃあ夏は楽しそう~~~~。
滝を上がるとこのような感じ。
今回は下流から上流に向かいました。
ここまでは人のたくさんやってくる観光地。
今回のおススメは・・・・・
養老の滝をもう少し南下した、
会所の森 親水広場
大きな駐車場のほかには本当に何もない場所で、
(手前の「もみの木庵」というところのお蕎麦が美味しいらしいです。)
看板地図をよく見ると階段の二ヶ所とトンネルが、
崩落により通行止めと書いてある・・・・。
え?これ行けないってこと???
取りあえずダメなら戻るつもりで降りて行くと、
崩落のあとは片付いていて、ちゃんと通れました。
そしてここは誰もいなくて、
川幅も狭く、20分たらずで出られる長さしかないのですが、
今日いちばんの美しい場所でした。
癒される・・・・・
何か所かどう見てもいつ崩れてもおかしくない場所があるので、
怪しいところ、落石の起こりそうなところは
(近くに人家ない&携帯も圏外になったりするので)
くれぐれも気をつけて下さいね!
これも川まわしでしょうか?
すごく高いところにあるし、小さくて掘るのも大変そう。
でも手前の壁に手で掘った痕が見えます。
きれい・・・
かなり大きめの動物の骨。
イノシシか鹿とかの骨盤かな・・・・
そしてこのトンネルには、
まるで恐竜の骨の様な岩石層が!!!
ふしぎな眺めです・・・・。
この他行かなかったですが、
「金神の滝」なども一見の価値あり。
春のツツジや秋の紅葉の時期が、
非常に養老渓谷は景色が良いようです。
夏はバッチリ水遊びの用意をお忘れなく!
今回はチバニアンの地層そのものは見に行かず、
その周辺の養老渓谷を辿ってみたのですが、
どうやらこのあたり、
川まわしの隧道を尋ねていくのがおもしろそう!!
そして森は結構迷いやすい感じがあるので、
楽しく小さな秘境を探検してくださいね!
ちなみに2年前に初めて 訪れた房総の鹿野山は、
ヤマトタケルに討伐された悪路王(アクル王)の
よみがえりを怖れてバラバラに埋められた塚を
いまだに毎月供養している場所があり、
そのとき初めて「古事記」や「日本書紀」のヤマトタケルが海を渡った伝説が、
横須賀の走水から東京湾の中を最短距離で鹿野山へ至るルートであり、
浦賀水道の強烈な水流と、海ほたるで体験する強風にあおられて
船が難破しそうになったんだな・・・・
とリアルに実感したのでした。
古事記が創られたのはざっと1300年以上前。
人はどんどん変わっていきますが、
自然は長い長い時間をゆっくりと変化しているようです。
小さな探検は楽しい~~~!!!
ではでは~~~
iphoneくんが、勝手に素敵な動画にまとめてくれました!
ちーば探検隊。 pic.twitter.com/dqLT1leXun
— ねこしっぽな@mountainguide (@amoamoi2012) 2020年1月11日