おきらくごくらく。

山と自然と不思議。日常のあれこれの雑記ブログ。

中級者にオススメ!セツブンソウの栃木百名山・三峰山。

栃木三峰山って知ってますか?

あまり知られていないちょっとびっくりな低山です。

 

 

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春を知らせるセツブンソウ。


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こうやって見ると、メチャクチャ急ですね・・・。

 

ここは栃木県にある三峰山の登山口にある御嶽神社。


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お日様みたいなフクジュソウ(福寿草)

 

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セツブンソウがこんなにたくさん〜〜〜

すごい群落です。(3月上旬の様子)


 さいきん栃木県の山によく行くねこしっぽなです。

 

さて、何がちょっとびっくりなのかというと

  1. セツブンソウや福寿草が登山口の神社にたくさん咲いている。
  2. 三峰山なのに御嶽山
  3. なかなか手強い・・・というか下山が結構危ない
  4. 派生ルートがいくつかあって、迷う可能性アリ

というところなんですが、

栃木の低山侮りがたし・・・とつくづく思う山でした。

 

 

三峰山(三峯山)と言ったら秩父の三峯が有名なんですが

ここは同じ三峰山でも、2014年に噴火した木曽の御嶽山(おんたけさん)

を祀った山なのです〜〜

 

 

ちょっと山をやっていない方には分かりづらいんですが、

山には同じ名前がついている場所がたくさんあって、

特に「みつみね」と言ったら、三峰・三峯・三嶺とか、

「みたけ」御岳・三岳・御嶽・御嵩と言った感じで

非常に紛らわしいんですが、

まあ深い山という畏敬を込めた呼び名なので、

日本中いろんなところにある名前なんですね。

 

そこで頭に地名をつけて呼び分けしてるような感じで、

「草津白根山」とか「木曽御嶽山」とか、「武蔵御岳山」とか「秩父三峰山」

といった風にですね。

 

特にここは栃木三峰山なんですが、「北辰ヶ岳 御嶽山」とも言われています。

なんだか言われがありそうな雰囲気がプンプンです。

北辰というのは北斗七星のこと。

聖徳太子の時代からも北辰信仰があって、

七曜紋というのは真ん中の大きな星が北極星で、

全体で北斗七星の事を示しています。

 

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木曽の御嶽山は、今やケーブルカーでかなり上まで登れてしまいますが、

その山体は巨大で、王嶽(おうたけ)とも呼ばれていました。

日本でもっとも西に位置する3000m峰で、

数ある御岳山の王であるとされた山なのです。

なのでこの山だけが「おんたけさん」と呼ばれています。

 

 

ここは山は「三峰山」(みつみねさん)

入り口の神社は「御嶽山神社」(おんたけじんじゃ)

そしてもう一つの名前「北辰ヶ岳 御嶽山」(ホクシンガタケおんたけさん)

なぜかと言いますと、

実は秩父三峰山と御嶽山には、ふか〜〜い繋がりがあるのです。

 

ともに古くからある修験の山なんですが、

御嶽山の王滝口を開いた普寛行者は、もともと秩父に生まれ

江戸で剣術を習い、その後秩父三峯神社に入門し、

修験者となった方なのです。

 

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ここは神社なんですが、お寺でもあり

昔の日本は明治に分けられるまで神仏混淆だったのが良く分かります。


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境内には枝垂れ梅セツブンソウ・フクジュソウが咲いていて、

手入れの行き届いた古刹で、とても良い雰囲気です。

 

境内には先ほどの御嶽山案内図登山者名簿があるので、

他に届出を出していない方はこちらで。

少し登った祖霊殿の右側をまわり込んで登って行くと、

清滝不動があります。

 


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ここをそのまま階段を登って行くと、上でご紹介した上人の普寛堂があり、

急な石段を登り、右に進むと御嶽大神御岩戸に出ます。


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たくさんの石像があり、左奥をよく見ると鎖が下がっています。


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時間がなかったので入りませんでしたが、

鎖につかまって小さな穴を除くと、中はけっこう広くなっていて、

修験者がこもって修行した洞窟だということがわかります。

外からはほとんどわかりませんね。


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この岩場で左と右にルートが分かれていますが、

右の岩場をぐるっと回って行くコースに向かいます。


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足元はこんな感じに切れているので、枯葉で滑らないように十分注意を。

 

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すっぱり(笑)

 


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最初の危険地帯はこの回り込む崖のトラバースですね。

10分ぐらいでそれほど長くは続かないのでご安心を。


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そしてここが三峰山の奥の院です。

 この三神の銅像が立っている山を、初めて見ました!

 

左から

神皇産霊尊(カミムスビノミコト)

「高天原を見守る御祖神」

 

天之御中主尊(アメノミナカヌシノミコト)

「究極神」

 

高皇産霊尊(タカミムスビノミコト)

「高木が神格化された神」

 

古事記の他の神様たちよりはるか前に、初めてこの世界に現れて

宇宙の中心に存在したという造化三神の神様たちですね。

 

天之御中主尊は、天の中央に存在する神として、

後年北極星を神格化した妙見信仰と習合されたと言われています。

なるほど、

だから「北辰ヶ岳 御嶽山」なんですね〜〜。


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少し下った稜線が少し広いので、ちょっと長めのお昼休憩。

 
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そこからは稜線を歩いて行きますが、

トラロープが出てきて、この下は採掘現場となっています。

午前と午後の2回、30分ずつ発破(爆破)がかかって遠雷のような音がします。


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1度大きく下って下山道との分岐に出たら20分ほど登り返すと、


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三峰山の山頂です!

展望はあまりなく、すぐ脇が崖で下が採掘場なので、

充分注意してください。


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この山頂はすぐ後ろにロープが張られていて下が採石場になっており、

山頂直下も空洞になっているとの話があります。

すでに山頂付近に陥没している場所があり、

大きな地震などがあれば、崩落する可能性があるので注意が必要です。

 

 

そしてこの山のいちばん危険な場所が

分岐からの下山です。


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倶利伽羅不動尊(くりからふどうそん)の岩屋。



 

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この地図でいうと、

スタート地点の御嶽神社から左回りで奥の院、

そこからトラバースのアップダウンで分岐、登って山頂なんですが、

この分岐からの下りが非常に悪い

ルートもかなり分かりづらいところもあり、

山慣れない方や、初心者の女性の二人連れとかには絶対にお勧めしません

 

滑りやすいガレの急斜面な上に、ルートも判然としません。

慣れている人でも、かなり肝を冷やす下山道です。

事故も多く、約1時間ですが緊張の連続です。

(行動時間5時間・7.46km・高低差487m、山中は神社以外WCなし)

 

下り切ると、登山口の御嶽神社に到着です。

ホッとします。

 

この神社のすぐ手前の「四季の森 星野」で、

セツブンソウやロウバイなどの、春先のお花が楽しめます。

入場は無料で、仮設のWCと駐車場もあり。

 

栃木三峰山は、木曽御嶽山の代わりに修験者が訪れた、

低いけれど厳しい、神様と出会うための

古来の姿のままの修験道の山でした。 

 

 

 

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