おきらくごくらく。

山と自然と不思議。日常のあれこれの雑記ブログ。

雪のあだたら山、くろがね小屋。

あだたら山にはくろがね小屋という小屋があります。

 

雪と大岩

 

2019年3月末の、あだたら山の様子です。

山に入るとまだまだ雪が深く、

山の春とは、地上と違ってまったくの雪山。

 

あだたらロープウエイの山麓駅

 

無雪期のあだたら山は、誰もがのんびり景色を楽しみながら登れて、

ロープウェイを使えば、

山頂までたったの1時間半。

 

この日の目的のひとつは、

くろがね温泉の湧くくろがね小屋

一泊する事なのです。

 

なのであだたらロープウエイの山麓駅、

奥岳登山口からスタートです。

ここにはWCも、奥岳の湯もあります。


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3月という事で、

春の日差し溢れる残雪の山のイメージで装備は薄めの皆さんですが、

今回の天候は、完全な厳冬期の山の天候です。

ゴンドラ乗り場から下の町は、まったくどこにも雪など見当たらなかったのですが。

 

 

残雪期は軽アイゼン(6本爪)でもOKだったりしますが、

今回は上では出来れば10〜12本爪が必要な感じです。


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雪がないとかなり下りにくいドロドロショートカット道も、

雪があればスイスイ登れます。楽しい


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雪山初めての方には、すべてとっても新鮮。

冷たい空気、

ちらつく小雪、

サクサクした足裏の感覚、

夏にはない静けさ。


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ウサギの足跡。

ぴょんぴょん飛んでいるのが目に見えるようです。

後ろ(手前)の小さいのが前足、

前の大きいのが後ろ足。

ぴょん!


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ところどころ源泉を通すパイプがあり、

熱で空洞になっていたりするので注意。

このような感じで、

前に何人か通っていてもズボッと落ちてしまうこともあります。


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勢至平からくろがね小屋まで、

夏道なら30分ほどですが

積雪量にもよりますがこの日はルートが全くわからないくらいの雪の上、

天候は吹雪になりかけの真っ白。

かかる時間も当然夏とは違います。

道迷い注意です。



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くろがね小屋にとうちゃ〜〜く!

1階部分が埋まるぐらい雪が積もっています。

この日は本当に真冬並みの寒さ。

こんな日こそ最高に小屋がありがたい。


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山小屋で入れる数少ないくろがね温泉。

極楽とはこのこと・・・・・。


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ここは2階が数人部屋に壁で区切られていて、

カーテンを閉める事も出来てとても居心地が良く、ライトも雰囲気がありますね。

 

寝具は敷き布団と枕、毛布は2枚だけなので、

冬季は特に夜寝ていると寒くなるので、

温泉の後、寝るときはダウンや手袋、

フェイスマスクや帽子など、

着込んで寝ることをお勧めします。

あるいは夏用の薄い寝袋を持って行くのもいいかと思います。

ふとんの中で使えば暖かいです。


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部屋の入り口の羽目板の下に、靴を収納できます。

残念ながら靴が無くなるという事も山小屋ではあるので、

近くにしまえると安心ですね。

廊下にカッパやジャケットなど干すことができます。


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あったか懐かしいダルマストーブ。

お湯もここのヤカンから各自で入れさせてもらいます。

 

ヤカンからお湯を魔法瓶の水筒に入れます


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食事は宴会装備を持ち込んで、楽しそうに炊事する人達か、

小屋秘伝の特製カレーを堪能したい人とどちらかですね。

 

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翌日は、

朝から前日に増しての猛吹雪になりました。

泊まっていた人たちは、諦めて下山する人たちがほとんどです。

 

猛吹雪とくろがね小屋

 

くろがね小屋に舞う吹雪

 

夏道ならここから山頂まで1時間ちょっと。


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何もかも完全に凍りついています。

 

凍るつく赤い木の実

 

凍る灌木

凍る木の枝

 

風と雨と雪の時間が刻印されています。

 

 

小屋のすぐ上に行くほど風雪は強くなり、

ホワイトアウトの様相を呈してきました。

 

吹雪のあだたら山

ホワイトアウトしていく中、かすかに見える大岩

 

ザックとピッケル



風速30mは越えそうな勢いになってきて、

自分たちのトレースもあっという間に消える猛吹雪になってきたので、

残念ですが下山です。

春先の装備で来た人たちには、

ここから先はデッドゾーンになって行きます。

 

吹雪の中に立つ木

 

上から眺めるくろがね小屋

 

下に今朝出発したくろがね小屋が見えます。

ここは雪のある時しか通れないので、

冬季だけ見ることのできる眺めです。


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ハイマツの枝が氷柱に覆われています。


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冬にしか見ることのできない美しさ。


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完全に峰の辻の手前までラッセルとなり、

装備の薄い方達がほとんどなので、

ここで引き返しを決めました。

 

初めての雪山の皆さんと、

ふっかふかのパウダーにダイビングしたり転がったり写真を撮ったり。

めっちゃ楽しみました。


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寒くて、冷たくて、


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美しい。


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下山してきたら、青空とお日様が。


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お日様と青空

 

下と上の天気が信じられないほど違う。

山ではよくあることなんですが、

お日様があるとホッとします。


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皆さん楽しんでくださったようで良かったです。

この残雪期の山は要注意で、

私も前日まで天気予報とにらめっこで、

出発の寸前にいくつかの装備を厳冬期用に変えました。

たぶん雪山を始めたばかりの方は、装備も春先向きのものしか持っていないことが多いので、

お天気と積雪の状況には、

本当に気をつけてくださいね。

寒さと冷えで怖い低体温症は、

気がついたら足が痙攣して一歩も歩けなくなったり、

意識が朦朧として行動不能になったりして、

グループであれば他の人の命まで危うくなります。

 

雪山は美しくて楽しいです。

充分な準備で少しづつレベルアップして行ってくださいね!

 

くろがね小屋さんは工事の予定が延期になりましたが、

行かれる方は必ず以下のサイトを確認してくださいね。

現在のところ、営業は令和3年3月31日までとなっています。 

 

www.tif.ne.jp

 

 

山小屋泊まりの必需品。

まわりの音を気にせず、グッスリ眠れます。

私はヘッドランプの防水袋に必ず入れています。

 

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