おきらくごくらく。

山と自然。日常のあれこれの雑記ブログ。

【夜見師】kindle unlimitedおすすめの一冊。

先月から Amazon kindle アンリミテッド 1ヶ月無料をお試ししていて、

面白そうな小説とかを片っ端から時間の許す限り読んでいるんですが。

 

まったく知らない作家さんの初めて読む知らない作品で、

非常に良かったのがこれ。

作者中村ふみさんの「夜見師」

 

 

表紙の絵も非常に綺麗なんですが、

この方の文章は読んでいて引っかかりや違和感を感じることがまったくなく、

本当にスッキリした水のようなんですが、

物語の世界に引き込まれるというか、

いつの間にかすっぽり入り込んでいるかのような感じは、

ちょっと今までなかったような気がします。

登場人物がとても生き生きして感じられます。

 

そして怨霊や祟り神というものがどうやって出来上がって行くのか、

決して自分はそうならないとは言えない、

そんな風に思わせられてしまいます。

 

 

 

夜見師の1巻は0円なんですが、

これは絶対に続編があるなら読みたかったので2巻を購入。

 

1巻では思いもよらなかった「夜見師」の本当の正体を、

2巻で突きつけられることになりました。

 

「怨霊を斬り、滅する。」とはどういうことなのか、

隠された神社の血統の中でも

明かされて来なかった夜見師になるための忌まわしい条件。

それから逃れることの出来なかった、

人のために怨霊封じをしていた神の血統の滅んでしまった一族。

 

 

 

2巻を読んでいる最中に突然ハッと気づいたことがありました。

 

【想いを昇華できないものが怨霊になる】

 

ぞっとするような嫌な話で恐縮ですが、

実は私は過去に人を非常に憎んだことがあるのですが、

その時の自分にとっては衝撃があまりに大きくて、

7年間も立ち直れずに苦しんだ時期がありました。

 

 

自分で抑えきれない執着とはなんなのか、

相手を刺してしまいたいとまで思う気持ちはどこから来るのか。

 

それを嫌というほど経験するための、長い長い時間でした。

今となっては「何であんな人にあんなに執着したんだろう気持ち悪い〜〜🤮」

って思ってるんですが。

 

その時もちょっと不思議なことがあって、

相手とものすごい喧嘩をして激情の波に飲み込まれているその真っ最中に、

 

「よくやった、これで終わった。」

 

って声を突然頭の中で聞いたのです。

は?終わってなんかないし、真っ最中だし!!!!

実際はそれからも1年以上揉めて、

結局その後7年もそれに引き摺られる状況だったのですが、

今になってみると自分の持っている汚濁のようなドロドロした部分を

余すことなく直視した長い時間でした。

(だからといって今聖人のようになってるとかは当然ぜんぜん無いですが。)

 

その時はドロドロを手放したくなかったんでしょうね。

でもこのままだと生き霊を放ってしまうと必死で抑えていたのは、

「それは本当に起こる」と直感していたからだったかも知れません。

平気でそれを垂れ流せば、自分がその汚泥のためにいずれ怨霊になる。

 

その時起こった全てのことを、

この2巻の一文を読んだ時に、カミナリに当たったかのように思い出しました。

 

 

ふたりの青年(?)の主人公と周りの人々。

ほとんどがその神社を覆った屋敷の中で起こる出来事なんですが、

死と生と時空を越える人の思いと、命はどこから来てどこへ消えるのか、

深く考えさせられてしまいます。

 

3巻は出ていないようのなのですが

最後の夜見師となった多々良克比古(たたらかつひこ)の迎える終わりは、

家政夫兼助手の五明輝(ごみょうあきら)との作中の生活が

きっと過ごして来た過去の生活より心和むものであるような気がするので、

このまま読まずに2巻で終わりでもいいと思ってしまいます。

 

またこの中村ふみさんの作品を読んでみたいです。

 

 

         

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