今年もっとも泣けた映画は、
京都アニメーションの「聲の形」です。
京都アニメーションの作品で初めて見たのは【Free!】で、
水泳を通しての少年から青年へと向かう物語が珍しかったのと、
非常に美しい映像とキャラクター(肉体美!)、
まさに青春!の嫌味のないストーリーと、
実際の鳥取県岩美町を舞台にした美しい背景に、どんどん引き込まれて行きました。
(先日初めて金曜ロードショーで、【ヴァイオレット・エヴァーガーデン】見たんですが、
あまりに絵が可愛すぎて敬遠してました・・。ちゃんと見たいと思います。)
いつものようにふとアマプラで視聴したんですが、
もう一瞬たりとも意識を他に向けさせない意外すぎる展開と、
可愛らしい画にそぐわないシリアスなシーンの連続で、
もう息が止まりそうな場面があったり、
せつなすぎて、あとは涙が滂沱のように流れ落ちていました。
名作
間違いなく。
とにかく見て頂きたいの一言です。
アマプラで視聴出来ます。
この「聲の形」の英語のタイトルは
「A Silent Voice」(静かな声)なんですが、
ラストでずっと自分を贖罪として罰し続けてきた
石田将也が、周りの人たちの顔や声を受け入れ始めて泣きじゃくるシーンで、
「The Shape of Voice」(聲の形)と浮かび上がってくるのを見て初めて
タイトルが違うことに気づきました。
この時ハッとしてとても心に残る演出だったんですが、
英語ネイティブの方は、どんな印象だったんでしょうか?
この作品は(たぶん)誰もが経験する、
罪悪感なく始まる差別といじめ、
すれ違う気持ちと激しい後悔、
無意識や意識的に見て見ぬ振りをして加担してしまうこと、
心の隅や中心から消えない自分の罪の意識、
そしてそこからどのような行動を取るかということを、
非常に繊細に描き出していると思います。
胸が痛い。
作者の大今良時さんは、
「人と人が互いに気持ちを伝えることの難しさ」の答えを自身が見つけ出せなかったため、
「読者に意見を聞いてみたい」という気持ちでこの作品を描いたのだそうです。
この作品は2008年第80回週刊少年マガジン新人漫画賞を受賞しましたが、
聴覚障害者へのいじめをテーマにしている内容の際どさから掲載は見送りになり、
一時は「幻の作品」となっていたとか。
編集者の「どうしてもこの作品を読者に読んで欲しい」との思いから、
弁護士や全日本ろうあ連盟とも協議を重ね、
「何も変えずにそのまま載せてください」との評価を得て掲載され、
読者アンケートで「進撃の巨人」を抑えて1位になり、
さまざまな反響と議論を呼び起こしました。
ぜんぜん知らなかった・・・。
原作をぜひ読んでみたいと思います。
なおこの「聲の形」が長編映画監督3作目となる山田尚子監督の
京都アニメーションを離れて初監督となる「平家物語」が、
2022年1月から放送、FODでは9月15日より先行配信されているそうです!
アニメーション制作は、「映像研には手を出すな!」のサイエンスSARU、
キャラクター原案はあの!高野文子先生!!!
ちょっとワクワクしています。
FOD無料お試しあり。