【進撃の巨人】とほぼ同日放映だった【鬼滅の刃】遊郭編の最終回11話、なんと32分の拡大スペシャルバージョン、しかもCM無し!!、
「何度生まれ変わっても」。
原作読んでいるので堕姫と妓夫太郎の最後の悲しいバックストーリーはすでに知っていて、
原作でももう散々泣いたんですが、
今回の最終回はちょっと立ち上がれないくらいに来てしまいました・・・・。
映像もさることながら、声優さんの演技がものすごくて
堕姫(沢城みゆきさん)の最後の泣きながら話すシーンとかもう、
こっちが嗚咽を抑えきれなくなるような、
本当にお兄ちゃんを慕って絶対に離れたくない妹そのものでした(号泣)
妓夫太郎(逢坂良太さん)の声もすごくて、
ラストシーンで妹を引き離そうとするときに
「ついてくるんじゃねえ!!!」
と叫ぶシーンは、海外の視聴者も全員が沈黙してしまうほどの心の叫びでした。
原作を初めて読んだとき、
胸の奥を掴まれたような強い衝撃と深い衝動を突き動かされたのが、
炭治郎が消えながらお互いを罵倒する2人に駆け寄って妓夫太郎の口を押さえ、
「嘘だよ」
「本当はそんなこと思ってないよ」
「全部嘘だよ」
というシーンだったのですが、
花江夏樹さんの穏やかな声と、脚本の素晴らしい間によって、
永遠に心に残る場面となりました。
「仲良くしよう、この世でたった2人の兄妹なんだから。
君たちのしたことは、誰も許してくれない。
殺して来たたくさんの人に、恨まれ憎まれて罵倒される。」
「味方してくれる人なんかいない、
だからせめて2人だけは、お互いを罵り合ったら駄目だ」
このアニメのセリフは原作に忠実に作られていて、
吾峠呼世晴先生なんてすごい人なんだ・・・と毎回感動しています。
人の心の奥の琴線に触れてくる。
この後の堕姫が泣きながら
「うわああああん
うるさいんだよオ!!
アタシたちに説教すんじゃないわよ」
「糞ガキが、向こう行けえ
どっか行けえ!!!」
「悔しいよう悔しいよう、
何とかしてよオお兄ちゃあん!!
死にたくないよオ!!!」
と叫ぶところが本当に悲しすぎて、心をえぐられました。
沢城みゆきさん、凄すぎです・・・(泣)
そして本当に打ちのめされるのはやはり堕姫(梅)と妓夫太郎の最後のシーンでした。
もうね、もらい泣きどころか何回見ても号泣ですよ。
結構月曜日目が腫れて心は打ちのめされて大変でした。
まだファンブックとか買っていないのですが、
【鬼滅の刃】はすごく細かく作り込まれている作品で、
今回最後の最後で「アレッ!!!」と思ったのが、
ほんの瞬きするぐらいの一瞬のカットなんですが、
妓夫太郎が堕姫(梅)をおぶって炎の中に消えていく最後の姿が、
人間の頃の姿に戻っているところでした。
原作も確認したら、最後のコマがそうなっていました、気がつかなかった・・・。
天国と地獄の中間生のようなところで、
鬼の姿の妓夫太郎は、13歳の人間だった頃の姿になっている堕姫(梅)を見て、
何かを悟ります。
自分は鬼になることを選んだけれど、妹はそうじゃない。
自分といたら普通の幸せは妹には永遠に訪れない。
けれども梅は自分の何よりも大切なものは兄と一緒にいることだ、
と兄とともに地獄へ行くことを選びます。
妓夫太郎は梅に助けられ、希望を与えられ、
梅は兄を慕って守られて生きて来た。
死んでもそれは変わらない。
「何度生まれ変わっても俺は鬼になる」
と言った妓夫太郎は、
「何度生まれ変わっても、アタシはお兄ちゃんの妹になる!絶対に。」
と言った妹の幸せのために、最後の最後で人間であることを選んだのだと思いました。
人の心の憎しみにつけ込む無惨は、
自分のこと以外はどうでもよく、他人を利用できるだけ利用し、
気に入らないものは殺して排除するブラック組織の典型的パワハラボスです。
一度血を受けてしまうと思考や生死の全てを支配され、
ただただ利用されるのみ。
「妓夫太郎は負けると思っていた。やはり堕姫が足手まといだった。
人間的な部分を多く残したものから負けて行く。いやもうどうでもいい」
自分も人間的な弱さの権化のような存在なのに、
兄妹のお互いを思いやる気持ち、弱いものを守ろうとする気持ちを
そのように評するところが無惨らしいですね。
ただ妓夫太郎は鬼になる前から人の冷たさや仕打ちによって鬼になり、
鬼になることを自分で選びました。
鬼とは誰もが身のうちに持っている半身、
それを炭治郎も禰豆子も理解している。
どうしようもない状況で、それ以外の選択肢がなかった。
誰もがどちらに転んでもおかしくない。
【鬼滅の刃】がただの素晴らしい戦闘アニメとは違うところは、
【進撃の巨人】と同じく、
この人間の永遠のテーマが一貫して描かれているところだと思っています。
そしてこの毎回驚愕するほどのクオリティを、
前回を上回る出来で
出し続けるアニメーション制作会社ufotable。
漫画の原作者に入る収入はグッズの契約などしていなければ、
基本的に売れた漫画の単行本の印税と、1ページいくらのギャランティで、
アニメーション制作会社はufotableだけでなく、グッズの販売などがなければ
アニメ制作が出来ないような税制におかれています。
感動した作品は作家を守るために直接作者にお金が渡るように購入することが、
作家さんへの最大のファンレターであり、次の作品への応援となると思います。
無料で見られるアニメーション制作会社は、日本の税制において
かなり厳しい状況に置かれているようで、
アニメーターの方々の労働環境や生活を守れなければ、
もうこんな素晴らしい作品の数々を見ることも出来なくなってしまうでしょう。
ただただすごいと感動するだけでなく、
自分を支えてくれた素晴らしいものを作る人たちを支えていかなくては
いずれ無くなってしまうかも知れないということを、
日本のファンは考えて行動していかなくていけないと思います。
2023年には【刀鍛冶の里編】が予定されているそうです。めちゃくちゃ楽しみです。
今までに、1クール目は良かったのに次が・・・、
というアニメもありました。
【鬼滅の刃】を最後までufotableさんがこの素晴らしいクオリティで作り続けていけるように、
出来る限りのことをしたいと思っています。