おきらくごくらく。

山と自然と不思議。日常のあれこれの雑記ブログ。

プロフェッショナル仕事の流儀【罠猟師 片桐邦雄】

昨夜非常に衝撃的な番組を見ました。

下に貼り付けたサイトに完全に内容がまとまっているのですが、

天竜川のそばで料理店を経営する片桐邦雄が、

罠猟師として害獣指定されているイノシシやシカを獲り、

それを捌いてジビエとして料理する・・・と書いてしまうとそれまでなのですが、

その流儀とそこまで至る道、

獲物の扱いと感謝、

そしてその思いに、深く感じるものがありました。

 

私の知人の女の子でも狩猟免許を取ったらしい人がいますが、

実際に捌いて料理し、その肉をいただくまでは大変な労力と

解体小屋や道具も必要で。

当然細菌や病気に関する知識も必要です。

 

サバイバルに関することをやっていたりすると、

「動物を獲るのか?」と聞かれますが、

私は魚は突きますが、本当に「食べる」や「自分の命がかかっても必要」

でなければ、動物を獲ることをやりたいと思えない。

特に散弾銃とかは見るだけでも苦手です。

害獣として駆除されたシカやイノシシやクマが、

ただ殺されて埋められたり捨てられたりするのも苦痛です。

肉自体をそんなになくてはならないとか、

絶対食べたいとも思わないせいもあるかもしれません。

 

(逆に肉食大好きな我が母は、「動物殺されて可哀想」とか簡単に言うんですが、

 「お母さんの食べてるそれは、他の人が代わりに殺してくれてるんだよ」と言っても

 自分は関係ないと思っているようです。)

 

 

罠猟と言うのもとても難しく、

待ち伏せしてかかって逃れようと必死に暴れる獲物を殴り殺すのが普通です。

最近もそれで必死に抵抗するイノシシに股の動脈を切られ、

亡くなった方がいました。

 

片桐さんの罠量は、衝撃でした。

自作のワイヤー罠は、狙った獲物以外の動物がかかっても、

ダメージが少なく逃がせるように作られており、

獲物の動きを素手で封じて後脚を縛ってテープで目隠しすると、

「ありがとうございました」と、山と獲物に頭を下げました。

そして生きたまま連れ帰ったあと、ホースで水をかけて落ち着かせます。

追い回して恐怖を持ったままの肉と、まったく違うと言います。

 

そして何より驚いたのが、

まるで軽く突いたかのように、屠殺は急所の一撃でした。

そこから血が流れ出し、穏やかに力が抜けて行く様子が見えました。

 

 

片桐氏の生い立ちと、

狩猟のきっかけになった天竜川。

汚れてしまったその川以外では魚を獲らないと言う姿に、

レジャーでも害獣駆除でもない、

生きるための狩りが当たり前だったことや、

その命のやり取りが生きることそのものだったこと、

様々な思いが去来しました。

 

 

最後に捕まえた大きなイノシシの呼吸が止まって、

片桐さんの心肺蘇生で息を吹き返したのも、

見たことのない狩猟の姿でした。

 

 

無駄に命を取らない。

命を決して無駄にしない。

 

 

 

イノシシの足跡や泥あとを、非常にわかりやすく映像化した

番組の作りにも喝采です。

 

 

 

 

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