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山と自然と不思議。日常のあれこれの雑記ブログ。

まつろわぬ国、三内丸山遺跡。東北の旅2

やって来ました三内丸山遺跡。

 

三内丸山遺跡の櫓

どーん


日本の縄文時代の歴史観を大きく変えることになった、

現在のところ国内最大級の縄文遺跡です。

 

三内丸山遺跡の入り口

三内丸山遺跡の入り口

 

入り口にも発掘された有名な土偶が。

 

縄文海進で海面が今より高かったこの時代、

三内丸山の周囲は海に囲まれていて、海からの往来や漁なども盛んで、

遠くを見渡すためのこの櫓(やぐら)が作られたそうなんですが・・・・、

 

三内丸山遺跡の櫓

 

いやこれものすごく柱がデカイ!!!!

栗の木らしいのですが、太さ・高さ共に、

こんな大きな栗の木見たことありますか!?!

 

なんと直径1m、高さは10m以上あります。

 

 

そしてその近くには、



超巨大なロングハウス

 

超巨大なロングハウスが!!!!

 

もう興奮しまくりです・・・・。



櫓とロングハウス



こんな感じですぐ近くに建っています。

なんと長さ32m。

 

 

ロングハウスの内部

ロングハウスの内部

 

中に入って驚くのはその空間の広さです。

200人は収容出来たとされていて、

地面を掘り下げて作ってあるので、外見からは想像できなかった広さです。

 

すげえええええ

 

集会や重要な儀式、大勢でやる作業や備蓄など、

さまざまな事に使われたんでしょうね・・・・。

たくさんの人がいろいろな作業を楽しそうにしている姿が目に浮かびます。

 

なんというかこれは復元された建物なんですが、

とてもあたたかい雰囲気を感じるんですよね・・・。

自分のそうであったらいいなという願望なんでしょうか。

 

ちなみにロングハウスと書きましたが、

現在も非常によく似た高床式の建物がインドネシアにあって、

多くは50人ほどの家族が一緒に暮らしているようです。

三内丸山では、周囲にたくさんの住居が点在しているので、

やはり集会所のような場所だったのでしょうね。

 

 

発掘保存されている本当の櫓の跡。

発掘保存されている本当の櫓の跡。



これが本当の櫓(やぐら)の跡で、先ほどの櫓はこの復元になります。

夏至の日の入り、日の出と関係した位置に作られたのではという説もあるようです。

 

初めすべてはこのような形で発掘され、

長い時間をかけて研究され、あらゆる方法を使って復元作業が行われます。

木の材質から年代、大きさ、どのように建てられたかなどなど・・・。

 



f:id:nekosippona:20220527151936j:image

 

 

なんと5900〜4200年前の柱が残っています。

このように水分が多かったり、密閉状態の場所では好気性の菌が分解を行わないため、

泥炭地などで人間や動物も残ることがありますね。

やはりこれだけの大きさの木だったので、残っていたのでしょうね。

 

発掘していてこの柱の根元が出て来た時の感激は、

想像に難くない・・・。

 

 

柱の痕跡

 

これだけでも非常に美しいアートに見えます・・・。

 



復元された竪穴式住居

復元された竪穴式住居


野球場を作るときに発見された三内丸山遺跡

現在発掘されているこの集落は、

370000平方メートル(東京ドーム7つ分)の広さに、

最大500人ほどが1500年ほどの間暮らしていたと推測されています。

 

現在のところ、大型竪穴住居跡が10棟以上

住居跡が780軒(!!!)見つかっているそうです。

調査はずっと続けられています。

 

 

復元された竪穴式住居

 

おお、このタイプは初めて見ましたが、ありそうですね。

地元の子供達も復元に参加したりしているようです。

いいなあ



竪穴式住居の内部

竪穴式住居の内部

 

今は火が焚かれていないのでこんな感じですが、

生活していた時は常時中央に置かれた炉で火が焚いてあって、

大人や子供や老人や、飼われていた動物たちも出入りしていたのでしょう。

 

この他にも亡くなった子供たちをツボに入れて埋葬した場所や、

土器などが長い時間かけて大量に廃棄されたいわゆるゴミ捨て場とされる場所が

何箇所か出ているのですが、

廃棄されるとは考えにくい貴重なものも見つかっているので、

当時の人々は、魂を元の大地に戻す場所としていたのではないでしょうか。

 

 

三内丸山遺跡の目玉は、この他にも大量に出土した状態のままの縄文土器の展示や、

博物館の内容がすごいです。

どんな集落だったのか、

そして村の最後期にここから旅立っていく少年の物語などもあり、

はるかな昔に想いをはせることができます。

また行きたい。

 

 

どんなものが出土したのか興味のある方はぜひこちらを。

 

三内丸山遺跡縄文デジタルアーカイブ

https://sannaimaruyama.pref.aomori.jp/sanmaru_search/

 

(実際はもっと興味深い展示が多いですよ〜〜〜!)

 

 

縄文時代は狩猟採集の他に、栽培もしていたことがわかっていますが、

今の私たちには想像もつかないことですが、

この時代は自然の再生、回復力というもの自体が神であり、

そのためにあまり集落が巨大化する前にそれぞれ旅立って分割していったと

考えていたのですが、

どのようにこの三内丸山が発展し、

どのように最期を迎えたのか、非常に知りたいです。

 

世界の古代文明と言われたものはことごとく、

人間の数が膨大になり、その土地の環境への過大な負荷に

自然の回復力が追いつかなくなった時点で崩壊しています。

人間が回復を待つことをやめ、自然をコントロールしようとし始めて、

今のこの現在につながっています。

植物に1000%依存して生きている私たちはそれを忘れているので、

ある日突然ミツバチや植物がウイルスや原因不明で死に始めたら、

あっという間に人類は生き残ることができなくなるという事を、

ほとんど意識していないと思います。

とても怖いことです。

本当に戦争なんてやっている場合じゃないのです。

 

アメリカの進化生物学者、ジャレド・ダイアモンド氏の「文明崩壊」では

古い文明を築きながら崩壊しなかった文明のひとつに日本をあげているようです。

 

日本という国の、海に囲まれて山や川があり、縦に長い複雑な地形、

豊かな森林や植物とキレイな水、

そして細菌の種類の豊富な土壌とその回復力は、

世界でも貴重で重要なものだと、いくつかの国を見て私は思っています。

そして江戸時代まで見られた全てを無駄にせずリサイクルする生活の仕方。

緊急に見直すべきは、私たちがたどってきた道のようです。

 

 

Jared Diamond: ジャレド・ダイアモンド 文明崩壊は何故起こるのか | TED Talk

 

【多くの文明は、ピークに達したあと、急速に崩壊する】

 

そしてこのTEDの講演の中で、

本当の文明崩壊の原因は、人間の目先の利益や利害の対立だと話しています。

 

 

「手遅れ」という言葉は決して使いたくない言葉ですが、

私たちの意思決定は、今後の子供達とすべての生き物のために、

「何をして良いか、悪いか」

という大元から逆算するように考えなければいけないのではないでしょうか。

 

 

過去から学ぶことは、

私たちの未来につながる大切な学びです。

未来に何が起こる可能性があるのか、

どう対処するべきなのか、

それを先人たちの命が教えてくれていると思います。

 

 

 

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