おきらくごくらく。

山と自然と不思議。日常のあれこれの雑記ブログ。

不思議な話。殷の時代

昔オーストラリア人の友人が来日した時、

「根津美術館にいきたい」

というので、同行したことがありました。

 

 

私それまで行ったことなかったんですが、

広くて庭園やカフェのある

とても美しい現代的な美術館で、

一緒に見ていたら、突然あるフロアで

「私ここには入れない」

と言って彼女そこは飛ばして他に行ってしまったんですね。

 

その場所は、古代中国の青銅器が展示してある部屋でした。

 

私は内心舌を巻きました。

なんて鋭い勘なんだろう・・・・。

 

実はたまたまここへ行く数日前に、

私は古代中国の殷の時代のことを知り、

その内容に非常に衝撃を受けていたので、

まさに実物を偶然に眼の前にして、マジマジとその遺物を見てしまいました。

 

殷(商)の時代のことは、中国でも長い間伝説視されていて、

近年実際に遺物が発見されたことで、実在が証明された紀元前17世紀(紀元前1046年)

の古代中国の王朝。

●最後の王となった紂王(ちゅうおう)は、妲己(だっき)という妃の

言いなりになり、贅沢と残虐な行いにより、国を滅ぼしてしまった。

●この王朝は全てを占い(甲骨)によって政治を行うという呪術的社会であり、

殷王は神界と人間界をつなぐ最高位のシャーマンとされ、

戦場にも多くの巫女を同行し占わせたため、敵はまずこの巫女を狙った。

多くの残酷な人身御供が行われ、生贄とされた14000体の損壊された人骨が発見された。

●この特徴的な饕餮(とうてつ)という妖獣が表された青銅器の多くは、

生贄の頭部などを煮て食べたものだとされている。

 

 

まさにその実物が目の前に・・・!

 

 

その他にも、

日本の当用漢字になっているのはこの殷の字が元になっているものが多く、

「門」「道」などは、軍隊や王が通るときに一番前に歩いていた兵の持つ槍に

串刺しにされた首の形だというのです・・・!

私ずっとなぜ「道」という字に「首」があるのか、不思議に思っていたんですが、

これが事実とするとかなりゾッとしますね・・・。

 

妲己と紂王はまさに酒池肉林」を行って、

人にひどい刑罰を与え、苦しむ姿を見ながら酒宴をしたと伝わっています。

実際にこの字はこの故事から生まれたのだそうです。

 

そしてこの話を聞いてまず思い浮かべたのは、

いくつもの共通する伝説、傾国の美女が権力者に取り入り国を滅ぼす、

そう「九尾の狐」伝説です。

ここから出た話というか、この妲己に取り憑いたというか、

この邪悪な魂は、何回も同じことを繰り返したのち

海を渡って日本に渡来、玉藻前となって鳥羽上皇に取り入り、  

最後は那須の殺生石となったというあの伝説です。

 

今年ふたつに割れたというので話題になっていましたね。

 

秦の時代の「山海経(せんがいきょう)」には神獣であった九尾の狐が、

いつの間にか殷の妲己と結びついて、アジアで妖狐になって広がったんですね。

 

 

根津美術館から出て、彼女と日本の友人たちと飲みに行ったんですけど、

詳しい話をする前に何人かが

 

「あ、あそこね〜〜〜、

 私もヤダヤダ〜〜、

 なんか入りたくないのよね〜」

 

と言っていて、女性の直感てすごいものがあるな・・・と思いました。

 

ちなみに古代中国の青銅器って、

昔のお金持ちの男性が結構コレクションしてるイメージですよね。

あまり女性が持ってる感じはしないな・・・。

 

 

 

丹巴村

丹巴村



殷の時代に人身御供とされた羌族(チベット族)。

 

中国でもっとも美しいチベット族の村と言われ、

美人谷とも呼ばれる丹巴(ダンバ)

ここを通ったとき川の対岸の村の巨大な塔が、

千年以上昔に作られたもので、

敵に襲われた時のためのものだったと聞いて、

ひょっとして・・・・と嫌な想像をしてしまいました・・・。

 

 

村の目の前を流れる大渡河。

村の目の前を流れる大渡河。

 

女性の直感はすごいものがある

と感じた出来事でした。

みなさんも直感を大切にしましょう、ね。