おきらくごくらく。

山と自然と不思議。日常のあれこれの雑記ブログ。

地球温暖化。【海の異変】

西表島出会ったアオウミガメ

西表島出会ったアオウミガメ

 

かなり昔、アオウミガメが非常に少なかった頃、

西表島キャンプで南海岸の横断中に出会ったアオウミガメ。

 

産卵に来ていたようで、驚かしてしまったのか

最初からダミーの産卵穴だったのか、

子供が背に乗れるほどの大きなウミガメが、

バサッ、バサッっと2回前ヒレで砂をかいてはしばらく休み、

しばらくたってから再び頭を上げて、

「ごおおおおおお〜〜〜」

とまるで恐竜のような大きな呼吸をして、再び2回砂を掘る、

というのを繰り返す様子を見て、亀にとって地上で動くというのは

海中で動く何倍もの厳しい重力との戦いなんだ・・・と思ったのを覚えています。

 

そんなに大変なのに、ダミーの穴をいくつも作るなんて。

 

 

 

5日前、同じ沖縄の久米島で、

漁の網にかかって邪魔だと、絶滅危惧種のアオウミガメが30匹以上殺傷されるという

事件が起きました。

地元ではウミガメが増えすぎて、アマモなどの海藻を食べ尽くし、

網にかかって破れるなどの被害を起こす害獣となっているというのです。

それほどたくさん増えているの・・・?

なんともやり切れない気持ちです。

 

 

ところで地球温暖化はかなり前から火を見るより明らかとなっていますが、

昨日イギリスでは観測史上最高の41度となり、

未だかつてない気温上昇に道路や橋が溶けたり柔らかくなってしまう事態となり、

ヨーロッパで山火事や森林火災、アメリカや他の国でも氷河の崩壊で洪水が

起こっています。

凄まじいです・・・。

 

 

 

先日、NHKスペシャルで「海の異変 忍び寄る酸性化の脅威」

と言う番組を見ました。

世界中の人間が放出した二酸化炭素の50倍を吸収、沈殿させて来た海に

恐ろしい異変が起こっているというものです。

 

「海洋酸性化」

酸性に傾いた海の水によって、体が溶けて死んで行く小さな生き物たち。

異変は北極海の海の深いところで起こっていた。

世界の海はアルカリ性に偏っているが、大気中の二酸化炭素は海中にとけ込みやすく、

北極付近の海では、海洋酸性化が進んでいると言う。

 

北極海の翼足類(プランクトン)は、2004〜2019年までに

およそ5分の1にまで減っていることが分かっている。

 

食物連鎖の最初に位置するこれらの生き物が減少したことで、

長引くサケの不漁や、南カリフォルニアの蟹や、

東京湾の貝など、世界中にその影響が広がっているのが観察された。

 

5600万年前、大規模な海底噴火による二酸化炭素の放出で、

地球全体の大気の二酸化炭素が現在の4倍になり、

海中もph7.4まで酸性化した時、

元の状態に戻るまで17万年かかったのだそうです。

 

この状態から、どうやって地球は回復したのか。

 

それは

【海中の植物プランクトンが大発生し、

 光合成と二酸化炭素を取り込むことで、

 有機物として海の底へ沈んでいった】

と言うのです。

 

地球自体のこの元に戻して行く力を、フィードバックと呼ぶそうです。

 

このまま人間の活動による急激な二酸化炭素の排出量が増えれば、

この地球の持つ復元力が失われ、

二酸化炭素を取り込む生物ポンプさえも死滅してしまう。(年間92億トンの吸収量)

絶望的です。

 

瀬戸内海で現在取り組まれているのが、アマモを増やす活動。

日本の生息できる沿岸に根付かせることができれば、

年間100万トンの二酸化炭素の吸収量が増やせると言います。

(それでも日本の二酸化炭素排出量は12億1300万トンあります。世界第5位)

 

「何をやってもムダだと言って、

 何もやらないのはおかしいし、

 未来を担う私たちが積極的に行動を起こしていく

 必要があると思います」

 

と明るく言う高校生に頭が下がります。

遅いと言っていても何も変わらない。

何かやらなければならない、有効だと思われる手立てを。

地球の回復・自浄能力が失われる前に。

 

小さな小さな命が、地球の細胞であり、免疫であり、

バランスを取る力であり、

それらを内包する地球は、私たちを含めてまさに生きている星です。

知りうる限り、他に同じような生命に溢れた星はひとつとしてない。

 

 

ベトナムでは、国連の支援を受けて8年前からマングローブの植林

行われているのだそうで、熱帯雨林の40倍の二酸化炭素の吸収量があるそうです。

世界の沿岸で海の植物を育てることで、

年間14億トンの二酸化炭素が減らせると試算されています。

日本の年間排出量とほぼ同じですが、

世界の二酸化炭素排出量はすでに335億トン(2018年)に達しています。

中国28.4%

その他28.3%

アメリカ14.7%

インド6.9%

ロシア4.7%

日本3.2%

ドイツ2.1%

韓国1.8%

カナダ1.7%

インドネシア1.6%

メキシコ1.3%

ブラジル1.2%

オーストラリア1.1%

イギリス1.1%

フランス0.9%

イタリア0.9%

 

・・・・ちょっと気が遠くなりますね。

経済大国ほど、真剣に向き合わなければいけないのは、

火を見るより明らかですね。

 

 

排出量を減らし、

二酸化炭素を取り込む植物とプランクトンを増やす。

こうしている間にも、地球の人口は79億5400万人(2022年)になりました。

昨年から1年で7900万人増加しました。

ちなみに日本は11位と順位はそのままですが、50万人減っています。

 

つい最近、イーロン・マスク氏がツイッターで、

「いずれ日本は消滅する」

とのショッキングな発言をしましたが、

海外の教科書でもそのように、

日本の人口減少を危機的なものとして教えているようで、

日本人自身がもっとも深刻に捉えていないように思えます。

 

昔の海外のSF小説なんかで、日本人は絶滅してその血を引く生き残り・・みたいな

人物の描かれた話がありましたが、

このまま温暖化と二酸化炭素の放出が続けば、

絶滅するのは日本人だけではありません。

 

緑ときれいな水のない地域から、生き残るのが困難な時代になって行くでしょう。

 

この数字を見ただけで、

時間との戦いなのがはっきりと突きつけられています。

 

 

人間がいなくなっても(いなくなった方が)

どんな形になっても地球はゆっくりと回復して行くと思いますが、

ここで生きて行くことを与えられた私たちは、

難しくてもバランスを回復してよりよく生きることに

向かって行くしかありません。

 

自分が本当に気持ちが良いと思う方向に。

 

 

たくさんの兆候があったのに、ここまで流れてきてしまって、

後悔先に立たずなんですが、

私もない頭を振り絞ってよく考え、

間違ったと思ったらすぐリカバリーする余力を残しつつ、

直感を元に進んでいこうと思っています。