じゅ・・・じゅすい洞窟!?
いやいやこれは
「入水洞窟(いりみずどうくつ)」と読むのでした・・・。
名前の通り水が豊かに流れる洞窟に入ってすぐ、
天井の低い鍾乳石に囲まれたツルツルに磨かれた床が。
これはまた、予想以上だ・・・。
縦にブレているように写っているのは、
天井から落ちてくる水滴です・・・。
なんとようやく立って歩けるようになった曲がり角の先は、
両側から岩壁が迫って、幅が20cmぐらいに。
足元の鉄板の下にはどうやら激しく水が流れる川になっているよう。
ごおおお
と激しくなる水音にドキドキしながら進むと、
広くなったり、狭くなったり。
ここまでが普通に行けるルート(Aコース)の行き止まりです。
下には数センチの深さで水が流れており、
ここから先は濡れてもいい装備と、ヘッドランプなどがなければ行けません。
洞内のライティングもここまでです。
この入水洞窟は、全長900mで、Aコース・Bコース・Cコースに別れており、
それぞれ別料金でかかる時間も装備も違います。
ちなみにCコースはガイドを付けないと行けない場所で、
現在はガイドさんがおらず入洞不可です。
今回は急ぎのため、残念ですがここで引き返し。
元来たルートを戻ります。
鍾乳石が生き生きしています。
この受付でカッパや短パンにサンダルなど、レンタルすることができます。
ライトは持参ですね。
いや〜〜外は暖かくてホッとします。
ちなみに洞内は15℃前後、水温は10℃ぐらい。
個人的にはBコースに行くなら、入洞時間も長く這って水に浸かることになるので、
沢靴に濡れてもいいツナギがオススメです。
あとここから照明ないので濡れても大丈夫なヘッドライトですね。
レンタル装備、ロウソク・・・!?
ロウソクの光量じゃなにも見えないだろうし、
濡れて消えたらパニックだろうなあ・・・。
あぶくま洞は普通に歩いて入れる洞窟ですが、
入水鍾乳洞はよりアドベンチャー度の高い洞窟なので、
ケイビング体験をしてみたい方にはオススメです!
着替えやタオルをお忘れなく。笑
更衣室やロッカーもあります。
ここを下ってすぐの星の村ふれあい館で、この天然水を使ったお風呂に入れます。
割引券をもらっていけば、100円割引きになるそうです。(500円→400円)
そして入水鍾乳洞とあぶくま洞の間の、少し高いところに、
鬼穴と呼ばれる洞窟があります。
ここは大多鬼丸と呼ばれる鬼が、坂上田村麻呂に追い詰められて自害したという
伝説の場所なのですが、
例によってこの地方の豪族で大滝根山に城を構えていた大多鬼丸が、
戦時用の食料や軍資金などを洞内の奥深くに蓄えたと言われていて、
長さ140m、深さ85m、
あぶくま洞とつながっていて、ここの雨水があぶくま洞に流入すること、
絶滅危惧種ニホンテングコウモリが両方の洞窟に生息していることなどから、
2004年以降保護のため入洞禁止になっています。
中には天井の高さ60m、長さ100mもの
「大多鬼丸ホール」と呼ばれる大ホールや、
「大多鬼丸の腰掛け石」や
日本最大の高低差のフローストーンなどがあるそうで、
機会があったら是非入ってみたいものです・・!!
場所は大滝根山の登山道沿いにあるのですが、
標識などがなければ、絶対にスルーしてしまうだろうなと思います。
映画やお話に出てくるような見事な洞窟です。
しかも外からは分かりにくい。
ちなみにここは、別名「達谷窟(たっこくのいわや)」とも呼ばれており、
平泉の同名の場所と何か関連があるのかも、
気になるところです。
大多鬼丸はたぶん、「大滝丸」だったのでしょう。
房総のアクル王が、日本書紀で「悪路王」とされたのと同じように。
伝説によればこの地域を栄えさせて来た大滝丸は、朝廷から税と人を出せと言われ
徹底抗戦したそうです。
やがて軍事訓練を受けたわけではない人々はジリジリと押され、
最後を決意した大滝丸に従った兄鬼五郎と、後を託された弟幡五郎の兄弟の伝説も
残っています。
長い歴史の時間の中で、ここを通ったたくさんの人たちがいた事は間違いありません。
ここでなにが起こって、どんな人たちがどのように過ごしたのか、
この洞窟に出来たら見て来た事を聞いてみたいです。
坂上田村麻呂がどんな人だったかほんの少しだけ感じた話。
アクル王の墓に案内してもらった話。