三重県と奈良県の境にある日本の秘境、大杉谷にやってきました。
のっけから高さ約110mもある大日嵓
(だいにちぐら)と呼ばれる巨岸壁につけられた、
幅の細い鎖場の道がスタートです。
そうここは中級者以上の登山者が訪れる、
日本の秘境の一級品のルートといっても過言ではない。
峡谷のなかの連続する滝と苔と水と岩場と鎖場、
大台ヶ原までは10もの吊橋を渡り、6つ以上の巨大な滝や崩壊地、
そしてヘツリを越えていかねばならない初心者お断りのルートなのです。
このところ、毎週末連続で雨なのですが、
この時も例外ではなく、水量が増えたら撤退の可能性もありました。
ここは事故が大変多く、落ちたらタダでは済まない場所なのです。
そして一旦事故になったら、峡谷の奥深くのため一切の連絡手段がありません。
携帯もまったく繋がらないのです。
山の非常に高い稜線から流れ落ちる千尋滝(せんぴろだき)。
落差135m のまたの名を「天空の滝」。
絶壁の奥に見えるニコニコ滝も、
本当はかなり巨大で勢いのある激しい流れです。
ちなみにこのシシは鹿のこと。
この時はそうでも無かったですが、ヒルがいますので、ヒルよけは必須です。
一直線に流れ落ちる、落差50mもの滝。
そして万が一事故が起きてしまったら、
ここかこの先の桃の木山の家にある衛星電話をつかって、
救助を要請する以外にありません。
その迫力に圧倒されます・・・
またいくつかの吊り橋を渡ると、
ようやく桃の木山の家に到着です。
ヒルがついていないか確認してから入ります。
小さな浴槽があるのですが、この日は天気のせいで人が非常に少なく、
雨で冷えた体を温めることが出来ました。よかった。
ここに多いときは250人も泊るそうなので、そんな時はまず無理でしょうね・・・
お代わりできますが、その前にお腹がいっぱいになりました。笑
翌日は前日より気温も低く、本格的に土砂降りです。泣
どの滝も雨のせいか水量もかなり多く、すごい迫力です。
気を取られて足元を見ないで歩かないように。
そして最も気を抜けないヘツリと大崩壊地へ。
2004年の台風により山肌が崩落し、
家1軒ほどの大きさのある無数の巨岩で埋め尽くされた場所。
一帯の植物もすべて流され、川も土砂に埋まり、
6年近くこのために立ち入りが禁止となりました。
ここを整備されている方々に、頭が下がります。
この滝がものすごくて、
もっとも印象に残ったのですが、
光が当たるとこの飛び散る水煙に虹ができやすいのでこの名がついたそうです。
この日は大雨でしたが、とてもインパクトのある滝でした。
虹もぜひぜひ見てみたいなあ
ここでようやく危険な峡谷から抜け出します。
そしてなんと、ものすごくたくさんのシャクナゲが
満開の花盛り・・・・!!!
これほどたくさんの綺麗なシャクナゲの群落を、
今まで見た事がありません。
寒くて震えるぐらいでしたが、本当に素晴らしかった。
大杉谷の峡谷を出た後、
日出ヶ岳山頂までもほぼ展望がありませんでしたが、
またぜひ訪れたい日本の秘境の一つです。
黒部の下の廊下に引けを取らないぐらいの難易度として、
心と体力と装備の準備を怠りなくして行ってみてください。