故佐藤史生さんの吉祥寺での原画展に、
5月24日の初日に駆け込むことが出来ました!
少女まんが全盛の時代。
名にしおう多くの名作やコミックスの創刊を、
オンタイムで目にして来た幸福。
10代の終わりにまんがを読むことをやめた自分が
その後出会って非常に感動したのが、
佐藤史生さんの【夢見る惑星】でした。
(連載中はたぶん漫画を読んでいなかった時期)
青春時代を過ごした中央線、
そして吉祥寺に来るのはもう何年ぶりでしょうか。
駅前商店街のなかを、懐かしく思い出しながら歩いていくと、
すでに約束した友人が待っていてくれました。
自分の持っている古い単行本の生原稿が目の前に・・・!!!
やはり印刷物と本物は違います。
静かにゾクゾク感動が止まらない。
佐藤史生さんは絵の美しさとキャラクターの魅力もさることながら、
その独特のストーリーに、強烈なインパクトがありました。
あの当時、これだけのスケールのSFファンタジーを
描けた少女漫画家さんは少なかったのではないでしょうか?
「幻視」という不安定な未来視の能力を巡って、
大神官の座についた美青年イリスは、
この惑星が破滅的な大災害の危機を迎えることを知り、
どうにか民衆を生き延びさせようと絶望的な策略を講じるのですが、
避けることの出来ない大災害のその日を迎えることになる・・・
という文明の終末を示唆するような切ない、
そしてそれでもこの惑星は続く、夢を見ながらーーーという壮大なお話で、
最後の1ページのその後がどうなったのか
心の中にずっと引っかかったままの物語でした。
随分後になってインターネットで佐藤史生さんのそのほかの作品や、
「夢見る惑星」の後日譚「竜の夢」などがあると知り、
ヤフオクなどで次々に購入したりして読み漁りました。
コンピューターと密教の神や曼荼羅を介した世界の姿を描いた「ワン・ゼロ」というSF作品も、あの時代によくぞこれだけの先見の明のある物語を・・・
と本当に驚きます。
コンピューターには、いちとゼロの2本の指しかない、という事を初めてこの作品で知りました。
亡くなってしまったと知った時は、本当に衝撃でした。
まだまだたくさんの素晴らしい作品を描かれたであろう方でした。
亡くなってしまった作家さんで大好きだったのは、
佐藤史生さんの他に「フェネラ」を描いた花郁悠紀子さんですね。
本当に知ったときはショックでした。
初日にどうしても行きたかったのは、
やはり数量限定のグッズを見たかった。
まさか生の作品を見られる日が来るなんて、思ってもいなかったので
やはりひとつ記念のものが買えたらいいなあと。
踊るシリンのファイルも欲しかったな〜〜
なんて美しいの・・・。
こんな素晴らしい手拭いもありました。
本物を見ることは、言語化できないような繊細な情報や
本物に触れたときの感動が必ずあるので、
本当に嬉しかったです。
どんなに印刷の技術が発達しても、
そのままの再現には限界がある。
友人と久しぶりにおしゃべりできたのも嬉しかった。
原画展は今週の5日の水曜日まで。
吉祥寺駅から数分のリベストギャラリー創です。
興味のある方はぜひ。