山開きした富士山での死亡遭難が連日のように
報道されています。
開山間もなくすでに4名もの死者が出ています。
実は富士山での遭難死は、今までも毎年何件も起きていた事なのですが、
なぜかほとんど報道されてこなかったんですよね。
評判を落としたくないからなのか?と、実はずっと不思議に思っていました。
きちんと原因を大きく報道するべきだと。
富士山とはどういう山なのかを。
吉田口からの登山客規制が本格的になり、
1日の入山者は上限が4000人(山頂での混雑の限界値)、
入山料も2000円でクレジットカードかQR決済、(協力金は別で任意1000円)
山小屋に宿泊予約のない人は午後4時から午前3時まで、
または4000人超えた場合は五合目から上へは入山出来ないなど、
ようやく本腰が入った感じですが、
これからまだこのような規制のない富士宮口が、
かつての吉田口のような混雑になるのが予想されますね。
いずれこちらも規制がかかるようになるでしょう。
(ちなみに自己都合のキャンセル・返金は不可。
通行の予約は前日の23:59まで。
一応当日五合目での受付分を1000人分確保していると言うことです。
予約をしていても、午後4時以降は入山出来ません。
宿泊予約者は通行可ですが、その時間では基本的に遅すぎるので、
それ以前の入山が望まれます。4時前には小屋に到着しているのが基本。)
何回も書いていますが、富士山は実はまったく初心者向けの山ではないのですが、初心者が押しかけるという日本でも他に類のない山です。
特に真夏でも山頂は真冬の装備が必要で、
晴天無風であれば半袖になれますが、
たまたまそうであっても、それは非常に恵まれた日なのだと
肝に銘じることが必要な場所です。
なぜならそうではない天候になったとき、
装備不足と体力、体調、準備不足は死に直結するからです。
たかだか4000m足らずと思って登る海外の人は、
海抜ゼロメートルから立ち上がる独立峰の荒れたときの怖さを知らない。
上空の乱気流によって航空機が空中分解し、
乗員乗客全員死亡の事故や、
大量遭難、大落石の事故も過去に起きている日本一の山なのです。
詳しくはこちらに。
富士山のあまり見られない姿もありますので、
ぜひ見てみてくださいね。
ひと昔前と違って、自然の中に入ることにたくさんの規制がかかってきて、息苦しいと感じることも多いのですが、
今までの夏の富士山は特に野放図すぎたので、
この取り組みでようやく少し変わってくるかもしれないな?
とも期待しています。
自分達も最初はかなり危なっかしいことをして痛い思いもし、
経験値が上がって、
たまたま生き残ってきたに過ぎないのですが。
(死なないための目的の山の下調べや準備、体力や技術を学ぶなどはもちろん)
山は一段ずつレベルが上がっていかないと、死ぬリスクが高くなると思っているのですが、
富士山は実は初心者向けではないというのはそういうところなんです。
いきなり経験なしで危険な状況に陥るということ、
標高が上がり低酸素や体の冷え・長時間の体力消耗・睡眠不足・食欲減退・
高山病などで、自覚のなかった病変、
特に心臓や血管系の問題が起こる可能性があること、
思わぬトラブルが起こるリスクが高くなるのが富士登山なので、
どうか十分に準備をして、危険を感じたり仲間が調子を崩したら
放置したり無理をしないように、
大変だったけど、楽しかったねえと笑ってお家に帰れるような
よい登山になりますように。
落雷にも十分注意してくださいね。
いつも天気の急変の雷が、いちばんヒヤヒヤです。