
最近人に絵本をプレゼントすることが数回あったのですが、
今年見つけた絵本の中で、感動したもののひとつです。
1匹だけ他の兄弟とは興味の違う子オオカミ。
少しおっとりしていて、穏やかで甘えん坊。
他の兄弟と違って、
動いているのかいないのかわからないほど
ゆっくりなカタツムリをずっと観察していたり。
どんどん他の兄弟たちと行動は離れていき、
「ぼくも他の兄弟たちみたいだったら良かったのに。」
「ぼくも本当のオオカミみたいだったら良かったのに。」
と自分が他の兄弟たちと違っていることで、孤独を募らせていってしまいます。
そんなある日、
他の兄弟や母オオカミと離れてしまい、
子オオカミは一人ぼっちに。
彷徨っているところに、今までに見たこともない生き物に出会います。
すてきにあったかいオオカミの絵に魅かれて
手に取ったのですが、
どうやって野生のオオカミが人と関係を持ち、
イヌという人間のパートナーになって行ったのかを、
ああ、こうだったんだろうなあ
最初の変わり者の1匹が、新しい経験と
新しい友だちとの関係を、探し出して出会って行ったんだろうなぁと思わせてくれる1冊です。
「みんなと違うってなんて素晴らしいの」
これは人間の持つ感想ですが、
他と違う個性が生み出す大きな可能性を示唆しています。
自分がどんなに変わっていても、
出会いとそれに続く運命は、誰にもわからない。
特に自然のなかでの異種の生命同士の
奇跡のような瞬間は、
それを体験したお互いのなかで、
魂の触れ合いとして、永遠に記憶されるような気がします。
興味のある方はぜひ読んでみてください。