かなりの長い期間、青木ヶ原樹海に入ってきました。
最初に入った頃からなんと!
数えてみたらかれこれ30年近く経つのでしょうか。
最初はカメラとかも持っていなくて、
(ガラケーがあるかどうかぐらいの時代でしたww)
あまり熱心に写真を撮る方でもなかったんですが、
それでも心に残る景色がいくつかあるので、今回ギャラリーで残しておこうと思います。
(と言っても私が死んだらこのブログもいずれ消えると思います。有料版だし)
樹海といっても鳴沢の風穴のように、一般観光洞窟として
歩きやすくなっている場所もありますが、
入っていたのは全て自然洞窟で、最初の頃は火山洞窟学会の方々と
調査にご一緒させていただいたり、
樹海の中で珍しい煙突型に高く突き出た噴火口や、
富士山頂の火口壁に非常によく似た小型の火口を見つけたりしました。
本来は光の全くない闇の中にあるもので、
光が当たって初めて闇の中できらめく姿が見られるのは感動です。
エムウェーブが代表する高速アイススケートリンクは、
天然の氷筍の結晶構造を参考に作られたのをご存知でしょうか?
他の氷より摩擦がなく、スピードが出るそうです。
洞窟内の氷は非常に滑りやすく、体感的にも納得です。
氷筍を人工的に作るために、実現させようとした関係者の大変な苦労があり、
それをスケートリンクに貼り付けるという気の遠くなるようない作業の賜物です。
今や既に入る事が出来なくなった空中懸垂で降りる本栖第2洞窟や、
入口が狭すぎて入れる時期の限られる富士風穴の再奥部など、
天井から無数の羽のような薄い氷や、キラキラ光る一面の氷に覆われた姿は
一生記憶から消えることはないと思えます。
初めて入った時、
あまりの美しさに何回か夢にも見たほどでした。
上から自然水が落ちてきて延びていくのが氷柱、
下からだんだんと上に向かって成長していくのが氷筍と呼ばれます。
光が当たると鋭いナイフのよう。
様々な色の光を放ちます。
洞窟内の気温が上がって、
氷筍がもろくなっていますが、なかなか見られない美しさです。
巨樹の過ごして来た長い時間を想う。
外はこんなに快晴です。
世界遺産になってから、いろいろと入りにくくなってしまい、
その前から樹海の奥も木々が切り倒されたりし始めて、
一見変わっていないようですが、
かつての姿と森の様子がかなり変わって来てしまいました。
一時期は新緑の姿も全く違い、木がたくさん枯れ始めました。
体感的には「もののけ姫」の中の最後に出てくる、
それまでとは違ってしまった森の姿のように感じます。
かつて知っていた樹海の森は、単なる経年変化ではなく、
直接的にも間接的にも、多くの人の手が入って変わってしまった。
そんな気がしています。