この本の初版は、2004年2月だったそうなのですが、
宇野亜喜良氏による絵が非常に美しい上にリアルで、
さねとうあきら氏による、
安倍保名(あべのやすな・安倍晴明の父)と狐の葛の葉(晴明の母と言われている)
との出会いから始まる
安倍晴明の出生譚が、胸を打ちます。
私は宇野亜喜良氏の絵がこのような連続の物語として
動いている(見える)のを初めて見たのですが、
毎ページ毎ページの深みや人物の表情が素晴らしく、
まるでドラマか動画を見ているかのように、
奥行きのあるその場面場面が
ページをめくるたびに展開されるのに驚きました。
言い方が悪いかもしれませんが、
表紙から想像するより遥かに中身が素晴らしいというか。
(いや決して表紙が悪いということではなくて・・・汗)
表紙で伝わる以上の物語が紡ぎ出されていると思います。
ぜひ手元に一冊置いて時おり目にしたい、
そんな素晴らしい絵本でした。