この写真をご存知の方も多いのではと思いますが、
写真家の木村伊兵衛氏が撮影した、秋田の女性なのですが
私の中でこの写真のこの方が、
「日本でいちばん美しい人」
という脳内認識が不動のものになってしまっておりまして。
最初この写真を見たとき、あまりの美しさに衝撃を受けて、
日本人離れしている・・なんて思ったんですが、
実際に秋田の女性に会うと、本当に綺麗な人が多いんですよね。
お髭の年配男性でも、不思議な目の色と眼差しをされていたり、
きっと東北アイヌや様々な人々の辿ってきた豊かな歴史があるんだろう・・・と
勝手に思いを馳せていたりしていました。
「きれい」とか直接本人に言うのも人によっては嫌がられたり、
物みたいに扱ってしまっているのではないかと思って、
なかなかストレートには伝えづらいもので、
心の中で感嘆符!をつけてため息ついたりなんかしているんですが、
もちろん美しいというのは人それぞれの感性や好き嫌いやそれまでの経験含め、
感じ方もいろいろだとは思いますが、
この画像の透明度と光とこの女性の面差しに、
一瞬で心を奪われてしまったのだと思います。
木村伊兵衛氏は、ライカを使った報道・宣伝写真やストリートスナップ、
ポートレートや舞台写真など、様々なジャンルで素晴らしい写真を残されています。
報道写真とポートレートを結合させ、新しい分野を生み出し、
小型カメラによる作品づくりを試みて、「スナップの名手」と呼ばれたそうです。
絵の道具を入れているタンスの引き出しからこの切り抜きが出てきて、
久しぶりにつくづく見入ってしまいました。
一瞬で心を奪われる、
永久にその美しさが印象付けられる、
光と思いが永遠にそこにある。
そんなことが本当に表現された写真なのだと思います。