シベリアから帰国する日本兵を追ってマイナス40℃のなか1000kmもの距離を走り、
最後の日本への帰国船、興安丸に追いすがり
氷海の上を走った黒毛の雌犬、クマ。
どうしても描きたくなって、不明瞭な写真から
感じ取れるクマの姿を起こしてみました。
写真からは舌をちょっと出して、
笑っているような顔に思えました。
何回も何回も描き直して、
寒い寒いシベリアでたくさんの日本人を慰め、
冷たい氷海に落ちながらも追ってきてくれた
その命をかけた友情に、
日本の春に咲く野の花々を捧げました。
この子の一生が幸せなものであったように。
この子に会った人たちや、
私のように話を伝え聞いた人たちが、
クマのことをずっと覚えていて、
後々までも伝えてくれますように。