ディーン・シュナイダーさんという方をご存知ですか?
よく YouTube のショート動画に出て来て、
ハンサムな青年が楽しそうにライオンたちと戯れていて、
すごいなあ・・・と思いつつ、
飛びついてくるライオンたちがまったく爪を立てていないのにちょっと驚いて、
(猛獣を飼育するときによく牙や爪が抜かれてしまうので)
詳しく見てみようと思ったのがキッカケで調べてみたら・・・
なんとスイスでの金融業界での全キャリアを放棄して南アフリカに移住、
野生生物保護区と動物のリハビリセンターを立ち上げた方なのだそうです。
広大な広さの土地の中で、密猟されたりブリーダーや劣悪な環境下で飼育、
虐待されたりしている多種多様な動物たちの保護とリハビリを行い、
戻れる動物たちは自然に返されるその活動は一般に公開されておらず、
観光客は立ち入る事さえ出来ず、
数人の警備の人たちで密猟者から守られているというのです。
彼がどのように動物たちとの絆を築いてきたのか、
動画をみているだけでも窺える気がします。
この団体名のハクナミパカ Hakuna Mipaka という言葉は、
スワヒリ語で「リミット(制限)なし」という意味なのだそうです。
こちらのノルケインというブランドメーカーが、
野生動物保護活動家としてのディーンをアンバサダーとして意見を取り入れ、
革製品を使用しないなどの腕時計製品を作っています。
ディーンさんのことを知って、爪を抜かれてなんかいるはずがなく、
ライオンたちが家族として壊れ物に対するような優しさで、
彼に接していることが分かりました。
ライオンやネコ科の大型猛獣の死因を調べると、
外側の外傷はほぼないのに、内臓がズタズタになっていることが多く、
激しい打撃によってもちょっとやそっとでは傷つかない彼らの皮膚に比べれば、
私たち人間の皮膚など、野生動物からしたら触れたら簡単に切れてしまうゼリー
みたいなものではないでしょうか。
実際に猫にさえ、本気で引っ掻かれたら致命傷になると思います。
普段猫たちが傷つけないように手加減してくれているんですよね・・・。
動物たちがどれだけ注意深くディーンさんに接しているかが良く分かります。
ライオンだけでなく、
数多くの野生動物を保護していて、そのいずれの動物たちからも
信頼され、家族として愛されているディーンさんを見ると、
正直奇跡のようだと思います。
今まで犬や猫、ネズミや鳥など家で飼っていましたが、
彼らが本当に幸せだったかどうかは正直断言できませんし、
彼ら本位な飼育の仕方だったかと問われると、
とてもそうだとは言えないです・・・。
向かってきたり噛んだりされたこともありますし、
勘違いで怒ってしまったりしたこともあります。
相手をペットとして人間の下に見た扱いをしてきたことに間違いはない。
自分より小さく、自分たちのコントロール下に置く環境が当たり前と思ってきたからです。
野生動物はペットではない。
近年、可愛がって子グマから育てきた男性がそのクマに殺されてしまったという
事件が日本でありました。
ご家族やその後の詳細を調べてみると、
本当にその男性とそのクマとは家族としての愛情で結ばれており、
クマが甘えて飛びついた事により起こったまったくの事故だったと分かりました。
人と他の種の生き物たちとの間に生まれる感情のやりとり、
お互いに思いやる事で起こる奇跡。
シンプルに人を信頼する動物たち。
複雑な感情を持つようになった人間が、動物たちに癒されるのは、
その濁りのないシンプルな眼差しなんだと思います。
動物たちのことをずっと思い続けて、
金融界でその資金を作り、全人生をかけて実行に移し実現させた
その力の向かう先の光に、
たくさんの人が惹きつけられ、それぞれの人生で少しづつでも
広がっていくことを、願ってやみません。