3月1日放映のエピソード25【致命的な隙】。
神回だらけの葬送のフリーレンの中でも、
間違いなくベストオブ神回の、
衝撃的で素晴らしく濃い内容でした・・・!
前々回23話のラストは、ダンジョンのラスボスの作り出したフリーレンの複製体が出てきて、
絶望感がすごかった。
鳥肌が立ちました・・・。
今回のスタートは、デンケンや他の魔法使いたちと
どうやって攻略するかの話し合いをしているところから始まりました。
複製体を作り出すラスボスが、自身は非常に脆弱なシュピーゲルという水の魔物であり、複製体は心の働きを精密にコピーしているが心は無いこと、
全員分の複製体が最後の部屋の手前のこの部屋に集まりつつあることなどの情報を得られ、
それを元にフリーレンとフェルンが中心になって
全員で戦略を立てていきます。
このアニメは、誰も伝説級の大魔法使いフリーレンにほとんど敬意を払わないなあ・・、
とずっと思っていたのですが、
デンケンが言葉遣いは変わらないけれど、フリーレンに対して非常に敬意を払った様子になってきていて、さすが高い境地に達して相手を知る技量がある人間だけあるな、と思いました。
途中で挟まれるフリーレンの回想に、
過去ヒンメルたちとこうやって相談しながらダンジョンを攻略し、それを楽しんでいたこと、
フリーレンの師匠のフランメの師匠であるゼーリエとの千年前の会話の回想で、
ゼーリエが幼いフランメに魔法を教えて来たこと、
フランメの夢、世界中の人が魔法を使えるようになること、
それによって短期間で人間が永遠の時を生きるエルフの魔法使いを超えること、
などの衝撃の事実が明かされました。
「人間には寿命があり、
重大な決断を先送りには出来ない。
たった千年で人間はエルフを追い抜く。
お前を殺すものがいるとしたら、
それは魔王か、人間の魔法使いだ。」
と語るゼーリエ。
それに対してフリーレンは、
「楽しみだね、ゼーリエ。
これから先、たくさんの魔法使いと、
いろいろな魔法が見られるんだね。」
と答えます。
魔法が好きでいちばん好きな魔法は花畑を出す魔法だったフランメ。
それを下らないと言い捨てる好戦的なゼーリエも、
小さなフランメの手を繋いだことを、ほんの少し前のことのように思い出していて、
初めての弟子だったフランメのことをどう思っているのか
よくわかる美しいシーンでした。
「フリーレンは魔王を倒すよ」
と言ったフランメの先見の明はゼーリエのそれを超え、まるで予言と同じレベルのようです。
深い。
そしてフリーレンは自分を殺せると言ったフェルンに満足げに微笑みます。
自分の弱点に気づき、たった10年かそこらで自分を倒せるほどに成長したフェルン。
そうでなくてはならない。
フリーレンは自分の弱点を突いて殺すことが出来るのは、弟子のフェルンだと確信していて、
それを喜んでいましたね。
深すぎる・・・・。
伝説の千年以上生きて魔王を倒した魔法使いが、
自分の「致命的な隙」を、こうもあっさり他人に開示してしまうのに、
フリーレンの器の大きさと、それが知られても簡単には殺されることが無いであろう経験と技術を感じますが、
自分であったら絶対に口外出来ないな・・・、
と真剣に思ってしまいました。
フリーレンの致命的な弱点が、
魔力を使う瞬間わずかに魔力探知が途切れるという
「見習い魔法使いが怒られるようなミス」だと
いう部分に最初笑ってしまいましたが、
フリーレンが解析し、
人間に教えた貫通魔法ゾルトラークも、
長命のエルフにとっては比較的新しい魔法で、
ほんの少し対処が遅れること、
けれどもフェルンにとっては、「生まれた時からあって当たり前の魔法の基本」として体が覚えていることを伝える
「フェルンのゾルトラークなら、私を殺せる。」
と言うシーンで、
実は非常に深い話だったことに驚きました。
エルフは永遠に近い命を持っていて不老だけれども、不死ではない。
無限の時間を使ってたくさんの知識と技術を習得できるけれども、
寿命のある人間が短期間でそれを追い抜く。
とにかくすべて美しい映像で、
戦闘シーンは今までを超えて来ました。
音楽も声優さんも脚本、作画もパーフェクト。
現在放映日を正座して待っていて、
毎週必ず見ているのはこのアニメだけなのですが、
最終回は第28話までだそうなので、あと3話!
絶対に終わってほしくない名アニメです・・・!