おきらくごくらく。

山と自然と不思議。日常のあれこれの雑記ブログ。

最後の山。浅草岳・守門岳

ヒメサユリと越後山脈

ヒメサユリと越後山脈

 

最後の山ってタイトルなんですけど、

山に登るのが最後って意味じゃなくて、

なんとなくこの山に登るのは、これで最後になるだろうなぁって思った、浅草岳と守門岳。

実は20年ぐらい前に一度登っているんですが、

今年実に久しぶりに行きました。

 

 

 

新潟の山は雪がタップリで、

雪解け後のある時期、一気に素晴らしい高山植物が咲き乱れます。

一番の目的はヒメサユリ

 

 

ヒメサユリの群落



日本特産のユリで、もうひとつの名前はオトメユリ

飯豊連峰・吾妻山・守門岳・朝日連峰周辺にしか群生していない貴重な植物で、

環境省では準絶滅危惧種、国際自然保護連合では絶滅危惧種に指定されています。

 

この花を見るために、雪渓やブヨにも負けず、

この山々をこの時期に目指して登るのです。

 

三連のヒメサユリ

三連のヒメサユリ



トキソウ

トキソウ

 

越後山脈とヒメサユリ

キレイですねえ




ヒメサユリ

蕾もありました!



越後山脈

トンボのおかげか、今日は蚊が少ない。




ヒメサユリ

6個も花がついています。



尾根道とヒメサユリ

粘土質の細尾根




白い花



ヒヨドリソウ

ヒヨドリソウ




ブナ林

下部は見事なブナ林が続きます。



金色の夜明け

金色の夜明け。



守門岳登山口

守門岳登山口

 

ここからすぐに急な樹林帯が始まり、

そのあとは滑りやすい粘土質の細い道になるのですが、

浅草岳も守門岳も、このえぐれた粘土の道が曲者です。



ブナ林



越後山塊



雪渓



雲が湧く越後山塊

 

 

粘土の急斜面

粘土の急斜面

 

道はハッキリ言って、何気に結構危なくて、

ちょっとでもよろけたり滑ったりしたら、止まらず滑落するだろうなという感じです。

足場が悪くて転落注意箇所が多く、

雨が降ったら登りたくない山ではあります。

 



越後山脈

 

標高を上げてきました。



尾根道

そしてこの尾根道。

 

絶対に滑りたくない。

 

 

粘土質の急斜面。

粘土質の急斜面。

 

右下は崖で、こんな感じがずっと続きます。

結構ヤバめです。



白い花

 



カンゾウ

カンゾウ



山頂稜線を辿って

山頂稜線を辿って



雪渓

雪渓があります。

 

なんとかアイゼンなしでも行けましたが、

凍っている場所もあり、

残雪のある場所は必ずアイゼンかスパイクアイゼンを用意したほうが

良いですね。

 



ピンクのヤマウツギ。

ピンクのヤマウツギ。



ヤマウツギと山嶺




越後山塊



守門岳山頂

守門岳山頂

 

守門岳山頂



守門岳山頂は、巣守神社の奥の院です。

 

 

巣守神社奥の院

 

 

 

木道

木道の続く、素晴らしい山頂庭園です。



カラマツソウ

カラマツソウ



木道とカンゾウ





ヒメオオクワガタ

ヒメオオクワガタみたいですね。

 

下山は激しくえぐれた粘土の道で、ずっとそれが続いて、

滑りやすいので注意が必要です。

 

 

シロバナシャクナゲ

シロバナシャクナゲ

キレイですね。

 

 

程久礼小屋

程久礼小屋


なんとか下山してきました。

無人の程久礼小屋(ほっきゅれい)までくれば、

5分上がったところにバスの来る駐車場があります。

本数と期間は充分に注意が必要です。

 

小屋の前に小さな小川があり、そこでドロドロの靴が洗えました。

 

 

 

鏡ヶ池と女神

鏡ヶ池と女神

 

この池に鏡を落とした女神が、

この池を鏡の代わりに使ったという伝説があるそうです。

いりひろせという名の道の駅になっています。

 

日本の深山には、

ここにしか住めない生き物や植物がたくさんいます。

生きるために採っていたかつての人々は、

どこでも必要な分しか採らなかった。

また来年自然が回復し、他の生き物たちも共に生きていけるように、さまざまな事を学び、

足るを知るように生きてきました。

 

日本は非常に恵まれた地力のある土地ですが、

多くの人が植物や昆虫・動物を採って売ったりなどの乱獲や乱伐をすれば、

あっという間に回復不可能なダメージを与えます。

 

日本にはいない外来種の放逐も同じです。

短期間に手が付けられないほどに増殖し、

もともとそこにいた生き物を駆逐してしまいます。

 

この山域に行かなければ見ることの出来ない、

美しいヒメサユリ。

たぶん今年で会えるのは最後になると思いますが、

ずっとずっと咲き続けてくれる事を望んでいます。