先日の矢先稲荷神社からの続きです。
住んでいた場所の辺り一帯は、江戸時代からのいわゆる寺町で、ビルを建てようと土地を掘り返すと、古い人骨が7体ぐらい出たり、
振袖火事やら地震やらの大災害、もちろん空襲なんかもあった土地で、
焼け果てた後に何度もお寺が戻って来て再建されて来たような所です。
(もちろんそんな事をちゃんと知ったのは、かなり大人になってからなんですが。)
下谷の墓地の発掘でも、
墓が何層にも積み重なっていたりして、
世界に名だたる巨大都市江戸の埋葬事情が伺えますね。
そんな事情などつゆ知らぬ小学生時代、
我が家は拾って来た猫が切れることのない状況で、
猫の他にも縁日ですくったアカハライモリや金魚、ハツカネズミにハムスターの親子、
つがいのコザクラインコに爺さんが田舎から連れ帰るスズムシやでんでん虫、食べるためのドジョウ、
あとは大型コリーの仔犬までいたことがありました。
動物がたくさんいるので、近所で猫が捨てられていると子供がわざわざ呼びに来ることまであって、多い時には猫が10匹いたことも。
まあそんな中で非常に賢くて特別な猫がいて、
白黒の富士びたいのメス猫でチビと言いました。
その数年前にもミーという非常に賢い三毛猫がいたんですが、父親が車でどこかに捨てに行ってしまったという・・・、今思い出しても胸が痛く、責任を感じています。
(今でも猫用の仏壇で時々謝ったりしています。
もうとっくに生まれ変わっているでしょうけど。😭)
このチビは、猫に対してはケンカで負けたことがないのですが、人間に対しては目が合っただけで喉をゴロゴロ鳴らしてしまうような、とても人馴れした猫ちゃんでした。本当に可愛かった。
子供も何回か出産し、その後避妊手術をして長生きして、
両親が千葉に引っ越してもずっと一緒でした。
そしてたしか私が小学生ぐらいの時に、
当時2階の両親の寝室にカラーテレビがあって、
夜中に家族4人でテレビを見ていたら、
突然窓の外の何もないはずの空中から、
バサバサバサッと何かの騒がしい羽音がして、
(当時はコウモリか!?って思ったんですけど、
コウモリは羽音しませんわね)
突然チビが窓に駆け寄り、シャーッと激しい威嚇と唸り声をあげたんですね。
チビの本気の怒りの形相をこの時初めて見ました。
そして家族4人はこの尋常ではない事態に、
なぜだか背筋にゾ〜〜〜ッと鳥肌が立ち、
全員が顔を見合わせるだけで誰も動くことが出来ませんでした。
それともうひとつ強烈に記憶に残っているのが、
幽霊の笑い声みたいなものを聞いたことです。
その時は中学から高校生ぐらいだったと思うんですが、
夜中に明かりを消した子供部屋の勉強机で本を読んでいて、姉はすでに2段ベッドの上で寝ていました。
隣の部屋では母親がTVを見ている音が聞こえていたんですが、
本のページをめくろうとした瞬間に、
「ヒィヒィヒィヒィヒィヒィ」
とものすごく気持ち悪い笑い声がすぐ近くで聞こえたのです。
手はそのまま硬直し、あまりの恐怖に数秒間身動きができなかったのですが、
もう一度聞こえた後に思い切って窓を開けて外と部屋の中を確認し、
「この野郎!!!」
と裏口から外まで誰かいるのか見にいきましたが人っ子一人おらず。
当時の我が家はアーケード商店街のど真ん中で、
一晩中外は煌々と明かりのついている角地だったので、人が一瞬で姿を隠せるようなところではありません。
そんな笑い声を夜中に出すのは頭のおかしい人でしょうし。(←こっちのが恐い)
しかもその声は、家の中からか外から聞こえたのか、全くわかりませんでした。
気持ち悪かったのでそのまま寝てしまったのですが、
翌朝の朝食時に母親にそのことを尋ねると、
一切幽霊なんかは信じない!と言っていたのに一瞬で顔色がサッと変わり、
「お前も聞いたの!?」
と言ったのです。
不思議なことに今この話をすると「全然知らない」と言い張るのですが、
姉が「その会話を覚えている」
と言うので、私の錯覚ではないはず。(笑)
子供時代はあまり良い思い出がない家だったのですが、
父親がすぐ下の次男と一緒に仕事をしていて、
祖父が死んだ直後からその次男(叔父)が、
祖母と仏壇をある日突然勝手に黙って連れて行き、
遺産争いなるものを起こして荒れに荒れました。
女が上に3人、男が下に3人の6人兄弟の長男だった気弱な父親は、
5対1の本裁判になってしまって、全員分の税金を引き受けた上に、
住んでいた浅草を引き払うことになって、
家の買い手が現れなければ兄弟に渡すお金が作れないと言う有り様で、
その時の次男(叔父)の所業の数々はマトモな人間のやることではありませんでした。
「この家から出て行け!」と怒鳴り込んで来て、
子供の私に洗面器を振り上げて殴りかかって来たことも。
(その他も色々あったので、こっそり空手を習って自衛につとめてました)
で、割と地獄のような子供時代だったのですが、
姉が成人してから様々な宗教団体の霊能者を連れて来るようになって、
ある時部屋を閉め切って激しくお経を上げていたら、
普段絶対にそんなことをするはずのないチビが、
仮設の仏壇に飛び乗って
「ニャアア!!!」
と一声鳴いて、
その顔に女の顔が重なって現れたとかで、
なぜかそれぞれ関係なくバラバラにやってくる霊能者の人たちが、口を揃えて
「家の中に赤い着物を着た女がいる」
と言うようになりました。
重いですね〜〜〜(笑)
だんだん遠い思い出にはなりつつあるんですが・・・。
まだまだ続きます。