錦糸町Strangerという映画館で、
ようやく【君たちはどう生きるか】を友人をお誘いして見てきました。
もうそろそろ公開から1年経ち、上映も終わりそうな雰囲気で、
東京での上映はすでにここと池袋の2館のみ。
私映画は友人と見たい派で、
終わったあとであれこれ感想を話せるのが楽しみなんですよね。
この映画館、素敵な喫茶室の奥にある
キャパ45席のミニシアターなんですが、
ソファもふかふかで、ゆとりがあってものすごくよかったです!
こんな素敵な映画館があったなんて知りませんでした。
錦糸町という名前ですけど都営新宿線の菊川駅を出てすぐ、
なんと1分たらずのビルの1階にあります。
最初どこにあるのかわからなくて、犬のお散歩をしていた方に聞いてしまいました。
この映画館はクラファンで作られたそうで、
私のように人ごみ苦手な人間でもまったくストレスなく映画鑑賞できるので、
またぜひ行ってみたいです。
スタッフさんともあれこれ映画のお話ができる雰囲気。
写真はすっかり撮り損ないました😆
そして目的だった【君たちはどう生きるか】なんですが、
今まであまりジブリでは使われなかったCGと融合した映像は、
スピード感もいぜんより増して最高に美しく、人物も非常に魅力的だったんですが、
私のような者が言うのはなんなんですが、感想としては、
「これ以上ない宮崎映画、
そしてこれが宮崎駿の限界なのかも知れないな・・・」
と思ってしまいました。
太陽の王子ホルスも、ハイジもカリオストロもコナンも、
すべて子供のときから見てきた名作は、
宮崎駿氏の作り出す人物の描き方やすべての動きや画面が強烈な魅力でした。
少年少女は純粋で、驚くような気丈さで
闘うことを選んでいく勇敢さと立ち向かう大胆さを持っている。
それが宮崎映画の魅力でそのすべてがこの
【君たちはどう生きるか】で再現されているのですが、
話がまったくよく分からない。
なぜそういう行動になるのか、
どうしてこの流れからそうなっていくのかの共感が、
まったく出来ませんでした。
大叔父と話していたのに、暗転して次のシーンは
なぜかいきなり鎖でつながれてインコに食べられそうになっている。
そしてなぜインコやペリカンなのか?
もともと宮崎アニメで筋が通って物語が
ちゃんとしているのが、ナウシカともののけ姫だと思っているのですが、
今回もずっと見たいと思えず、
実は「プロフェッショナル仕事の流儀」で
この映画の制作中のドキュメンタリーを見て、
「おっ、これは映画館で
ぜひ見ておかなくっちゃ!」
と思ったんですよね。
「ジジイに怖いものなし!」
名台詞がいきなり出ました。(笑)
実際に見た作品はイメージしていたのとはぜんぜん違い、
それは私の勝手なイメージなのでまったく問題ではないのですが、
大叔父が積んでいた石の積み木が崩れるとなぜ世界が終わるのか、
なぜ真人に継いでほしいと思っていたのか、
インコの王は何をしようとしていたのか、
すべて脈絡がないシーンの連続のような気がしてしまって。
映画の最中なのに、途中から意識が離れてしまうこともありました。
宮崎駿氏は描きたい映像が先にあって、
それを繋げて作っていくからストーリーが後付けになるとか、
普通はプロデューサーがクランクアップに向けてスケジュールの〆切を決め、
監督が『ここはどうしてもこのシーンを入れたいから!』と折衝するところを、
ジブリでは監督の宮崎駿氏がスケジュールを見て、
「これは間に合わない、これも間に合わない、やめ!」
と言ってコンテを次々と破ってしまい、
いくつもの違うストーリーが跡形もなく消え去ってどこにも残っていないとか、
などの伝説的な話も小耳にはさんでいたので、
宮崎作品のストーリーの訳のわからなさは、
それはそれで作品がよければ良いと思っていたのですが。
あとちょっと気になった違和感の細かい事まで言うと、
真人の父は真人の母の妹を妊娠させて再婚したのが、
真人の母が亡くなった翌年だとか、(どう言うこと!?)
どうでもいいのですが、
アオサギと戦うために竹で弓を作るシーンがあるのですが、
矢はいいのですが、あの竹1本だけで削っただけの弓は強く引いたら
強度がなくて節の下から折れちゃうよね・・とか、
つい気になって引っかかってしまいました。
あといきなり真人やキャラクターが勇敢に叫ぶシーンがあるのですが、
今までの宮崎アニメに出て来たセリフとまったく同じだったりして、
過去の作品がオーバーラップして、
それがなぜか強烈に違和感を感じました。
素晴らしいシーンが連続でギチギチに詰め込まれていて、
それなのにストーリーが置き去りにされているような、
そんなイメージでした。
本当にどのシーンも素晴らしく美しかったんですよ。
でもなにかぜんぜん繋がってないような感じがして、
訳が分からないまま、私も置いて行かれてしまった感じです。
謎の多い映画でした・・・。
いまこれ思い出しながら書いてるんですが、
また地上波放映されたりアマプラになったりしたらきっと見てみると思うんですが、
正直、物語としては自分のなかに残らなかった。
映画館でジブリを見たのはもののけ姫以来だったんですが、
やっぱりもののけ姫が自分の中ではナンバーワンかなぁ。
ただ【君たちはどう生きるか】は、
めちゃくちゃ魅力的な映像でした!
原作を読んでまた見たりしたら、自分の理解や感想も変わるかも知れません。
そしてその後、友人をお誘いして
清澄白河のオススメスポットまで散歩しながら
移動しました。
福富川公園の遊歩道を通って、
ショウジョウトンボらしいです〜
確かに猩々の緋色だ。
緋の名のつく色は五つあって、
その中でもっとも血の色に近い。
四川料理屋さんの塩ラーメンを食し、
そこから深川資料館(500円)へ。
ここ以前妖怪祭りのときに行ってとても面白かったので、
ぜひ友人に見てもらいたかったのです。
今はもうやっていないようで残念です。
以前ブログに書いたような気がしますが、
消してしまったかもしれません。
影が当たったところを写したんでしょうかね?
ステキ。
この資料館は大きくはないのですが、
深川の川そばの江戸時代の建物や運河があり、
空の色が1日のうちで変わっていく様子が再現されていて、
突然の夕立や雷、川面に映る月の晩など、
非常に印象的で、電気のない昔はこれぐらい暗かったんだよなあと。
妖怪はこういうところにはきっとたくさんいたと思います。
またあのイベントやって欲しい。
そして友人が気が付いたんですが、
なんとこの猫鳴いて動きました!!!
知らんかったあああ
深川資料館の屋根の上の🐈 pic.twitter.com/eJJr6SVuc5
— ねこしっぽな@mountainguide (@amoamoi2012) 2024年6月16日
この屋根の下は、三味線など置いてある女性の部屋で、
小さなちぐらに小さな子猫が入ってこっち見てました。(笑)
七夕の飾りがあったり、長屋の間にお稲荷さんがあったり、
共同の厠があったり、井戸やゴミ箱があったり。
この後友人の体調が今ひとつで、
日頃の疲れと今日の暑さで体温が上がっているように感じたので、
急いで冷たいものを飲みに。
ハタメキさんというお店で飲んだこれが、
なんというか初の美味しさ!
ジンジャービールもありました。
この後少し回復した友人と別れて、
すぐ近くのシルクミュージアムと理科室と、
まだ時間があったので清澄庭園(150円)を回ってきました。
私は山でよく緑の繭を拾うのですが、
つむいでみようかと思いつつ、
そのままになっています・・・。
かけ合わせて作られたという、深川蚕のオレンジ色の繭もありました!
繭の色は、工程中に洗ったりでほとんどが抜けてしまうようですが、ほんのり色が見える部分がありました。
2階では苔のテラリウムのワークショップなどもあります。
そして久しぶりの清澄庭園へ。
ここは巨大な池の回遊式林泉庭園なのですが、
江戸時代の豪商の邸跡だったり、関宿の藩主久世氏の下屋敷になったり、
明治維新後、三菱財閥を築いた岩崎弥太郎氏が庭園を整備し、
関東大震災後に一般に解放されるようになったのだそうです。
東京都の名勝地に指定。
日本中から集められた巨岩を配置されているのが本当にすごい。
枯山水の滝を模しているように思われます。
ここからもスカイツリーが見えますね。
今は工事中で池の水位が低くなっていて、
大岩の下に土台として埋め込まれた瓦の一部のようなものが見えました。
よくぞこれだけの巨岩を日本中から集めて施工したものだと感心します。
凄すぎる・・・。
清澄白河は少し前から若者が多くさまざまなお店を出しているスポットで、ブルーボトルコーヒーのフラッグシップ店もあるので、
次はぜひまた友人と寄ってみたいです。