おきらくごくらく。

山と自然と不思議。日常のあれこれの雑記ブログ。

絶海の孤島、青ヶ島 AOGASHIMA。

さいきん海外でも評判の青ヶ島。

渡るのが非常に難しい、東京都のまさに絶海の秘境です。

 

青ヶ島遠景

 

青ヶ島は、日本国内でもっとも人口の少ない市町村で(原発事故の避難区域除く)

現在の島民は180人を切っています。

 

しかもなんと山活動ランクCの活火山で、

常時観測火山にも選定されている島なのです。

(伊豆大島・三宅島・鳥島はランクA)

 

あおがしま丸船内

あおがしま丸の船内。超快適www

 

今回は八丈島の底土港からあおがしま丸で向かいます。

船に乗るには、宿泊先が決まっているかを確認されます。

1日一本しかない船便は、しかも毎日は出航しなかったりします。

複雑な運航スケジュールなので、予約は必要ありませんが、

必ず事前に確認してくださいね。

当日の朝7時に就航か欠航かが決まり、8時半からチケットが販売になるシステムです。

 

島に渡るには八丈島から船かヘリコプター。

船の着岸率は50〜60%ヘリコプターは80%ですが、

どちらも状況によってキャンセルがあります。

特にヘリコプターは1ヶ月前の販売開始時にすぐ満席になるそうです。

中には予約取れるまで半年かかったという話も・・・。

 

 

あおがしま丸(連絡線)04996ー9ー0033

・八丈島〜青ヶ島(4月運賃 大人 2590円 子供1300円)

・約3時間

東京愛らんどシャトル(ヘリコプター9人乗り)

・予約センター 04996ー2ー5222 

(月〜土8:30〜16:00)

・問い合わせ(東邦空港)04996−2ー5200

(8:30〜17:00)

・大人11530円 子供8070円 (八丈島〜青ヶ島)

・20分

 

www.tohoair.co.jp

 

 

今回は八丈島まで羽田空港から飛行機で1時間足らず、

翌日八丈の底土港からあおがしま丸に乗って3時間、

無事青ヶ島三宝港に到着しました〜〜〜!!!

 


あおがしま丸船外


青ヶ島丸山の船内パネル写真

 

船内のパネル写真です。

 

青ヶ島は世界でも珍しい現在も活動中の二重カルデラの島で、

外側はグルリと断崖絶壁です・・・!

最初に辿り着いた人は、一体どこから上陸したのかと思います。:(;゙゚'ω゚'):


青ヶ島全景のパネル写真
満天の星空パネル写真

 

晴れればものすごい星空が・・・・

期待が高まります。

 

目の前の青ヶ島

 

ついにキタ〜〜〜!!!!

 

波間をジャンプするイルカ

 

ざっぱ〜〜〜ん

 

島が近くなるとイルカが舳先の波に乗りにやって来ました!

帰りも群れが楽しそうに飛び跳ねに来たので、

御蔵島のように周囲にわりと定住しているのかも知れません。

この日の朝、船が出るのか超心配でしたが、

キセキのベタ凪です〜〜〜〜うれしい・・・

しかもイルカにも会えてラッキー過ぎるう

 

三宝港

 

島で現在着岸できるたったひとつの港、三宝港です。

反対側にもうひとつ大千代港がありますが、

道が崩落し技術的に修復の見通しが立たないため使用が出来ません。

 

現在島内のメイン道路はただ1本と言ってもいいでしょうか。

港から集落までのもうひとつの外輪山を通る道も、崩落して修理工事中。

三宝港から青宝トンネルを通って一度火口の中に入ります。

 

火口の中の一本道

 

このカルデラに入り、また外輪につけられた超急な道とトンネルを通って

ふたたび外輪山に上がり、たったひとつの集落の岡部地区に向かいます。

 


国道236号線

 

国道236号線。

 

島の夜明け


島で一つの信号機

 

島でただ一つの信号です。

子供達が島から出るときに困らないようにとつけられています。

赤になって車が止まるのは、子供達が練習で渡るときに遭遇する、

およそ年に2回ぐらいなんだとか。笑


十一屋酒店

 

島で唯一の商店の十一屋酒店

食べ物・飲み物・お土産・パンフレット、なんでもここで。

隣でガソリンスタンドと自動車修理工場もやっていらして、

ここの若旦那さんは島内のガイドさんもしてくれます。

 

(有)青ヶ島整備工場(レンタカー)

   TEL・FAX 04996ー9ー0088

 

★こちらで必ず島内の地図をもらって情報を得てください。

島の中は崩落による通行止めの場所が多く、

無人に見えてもほとんどが私有地なので

勝手に入ったりすることはNGな場所が多いです。

 

 そして他にお店はなんと居酒屋さんが2軒ありました〜〜〜!!

 島の人と仲良くなれるチャンス!!!


おおとんぶ遠景

 

あの正面の右手の山が、

青ヶ島の最高点、標高423mの大凹部(おおとんぶ)

 

 

さっそく行ってみましょう〜〜〜!!!

 

東台所神社鳥居

 

途中に古い鳥居が。

この周りにも丸い石がありますが、これが大昔から島の大切なもの。

魂の宿るものであり、ご神体でもあり、

あの断崖を危険をおかして海まで取りに行き、

ひとつひとつ願いを込めて運んで来たものなのです。

 

この鳥居の奥は、全てこの玉石で出来たほぼ垂直の階段になっていて、

幅はなくて滑りやすく、両手両足でつかまらないと登れませんので、

あまりオススメできません。

 


苔に覆われた古い石段

 

鳥居の脇の道をどんどん登って行くと、

非常にステキな森の道が続いていて、

苔が非常に美しい・・・。

古い古い道なのがわかります。

そして登り切るとようやく、

 

大凹部より丸山を臨む

 

ワァオ!!!最高所からの眺めだあああ

 

ここが大凹部の頂上です。

外輪山の外の港や集落以外の全てが見えます。

 

 

上から見るとまるで大きな蓮の花のようです!!!

 

中心の火口丘は丸山と呼ばれています。

今から234年前、あそこから噴火する以前には、池がふたつあったそうです。

なので池の沢地区と呼ばれています。

その時の大噴火で島民は八丈島に避難しましたが、

島のすべての緑が消えてしまったそうです。

 

つまり今のこの青々した緑はすべて、234年かけて回復して来たものなんですね。

 

青ケ島が歴史に初めて現れたのは15世紀。

激しい黒潮に囲まれた島で、海難事故が多発し、

源為朝伝説や、鬼ヶ島だと言う話もあるそうで

天明5年(1785年)に島の中心から噴火を起こし(天明の大噴火)、

全家屋が消失、130人余りが避難が間に合わずに亡くなったということです。

200人が70km離れた八丈島に避難し、その後40数年間無人島と化しました。

 

その後、天保6年(1832年)佐々木次郎大夫らが先頭に立って

青ケ島に帰還を果たし、それが「還住(かんじゅう)」と呼ばれています。

島民は過去最大で754人。

明治38年に東海汽船の定期航路が始まるまでは、

海がすぐに荒れるため、

本当に行くも帰るも非常に難しい場所でした。

現在でも就航率が約半分ということを見ても分かりますね・・・

 

 

ここ青ヶ島のカルデラの中には、畑やグラウンド、地熱サウナ施設がありますが、

人はすべて外輪山の外側の岡部地区(標高250m)に住んでいるそうです。

湿度は平均85%と、伊豆諸島のなかでもかなり高い。

 

尾山展望台

 

尾山台展望台

晴れた夜にはここからすごい星空が見えるそう。

残念ながら春先はやはり薄曇りが多く、

今回星空を見る事が出来なかったのですが、

6〜7月上旬はすごい霧で、蹴ったボールが見えない・昼からヘッドライト・

洗濯物が乾かないなどのこともよくあるのだとか ・・・:(;゙゚'ω゚'):


展望台の先

 

展望台の先のピークまで行ってみると、


玉石の急階段

 

ものすごい急な玉石の階段が・・・!

(緑に覆われていますが、階段があります・・・)

これはwww

下るのは不可能そうwww

 


東台所神社

 

東台所神社

「とうだいしょ」と読みます。「ひがしだいどころ?」

とか言って笑われました〜〜笑

 

そう、大凹部(おおとんぶ)の途中にあった鳥居⛩は、

ここに続いていたのでした・・・!!!

ここは縁結びの神さまでもありますが、

叶ったら御礼参りに来ないといけないので、

由来は書きませんが、島の人にきちんと聞いてから願掛けした方が良いかも。

大切にされている神社です。

島ではこの他、金毘羅宮や海に向かって建てられた八大龍王碑などもありました。

 

ちなみに大凹部とここは隣り合ったピークですが、

縦走は出来ません。

 

 

見事な玉石垣

 

ここは名主の屋敷跡

すでに建物は無いですが、私有地なので見学の時は

民宿などに一言お断りを入れたほうが良いですね。

見事な玉石垣で、これを全部海から運んだとは・・・。


石垣と巨木

 

中は静かな密林になっていて、

なにかアンコールワットを思い出すような雰囲気でした。


ジャングル
オオタニワタリ

 

巨大なオオタニワタリ。

 

ひっそりと隠れた神様

 

島のふとした隠れた場所に神様が祀られていて、

慣れない人は気づかず見逃してしまいそうです。

 

カルデラへの道

 

さて、いよいよ島のカルデラの中心へ。

この道路を下って、


平成流し坂トンネル

 

長いトンネルをくぐると、


中央火口丘

 

丸山です。


コロコロドウラ

 

この池の沢地区は、ものすごく大きなオオタニワタリがたくさんあって

青ヶ島は実は日本最大の自生地なのです。

ちなみに、奄美や沖縄では若いところを食べたりしますが、

青ヶ島では食用にはしないそうで、

そこにも一因があるかも知れないですね。


ユリの花
オレンジのランタナ

 

ちなみにこの島でいちばん多いのは、オオタニワタリとタブノキ。

グミの木やオオバヤシャブシもたくさんありました。


池の沢の畑

 

ここは畑が作られ、麦なども栽培されています。

いい眺め〜〜〜

 

丸山のキャンプ場

 

キャンプ場。

今後どのように管理運営していくかが課題のようです。

 

蒸気の上がる火口丘の斜面

 

 丸山の斜面から蒸気が上がっています。

ありがたいことに、火山性のガスは出ていないので

ここを様々に利用することが出来るのです。


ひんぎゃがま

 

これがすぐ横にある地熱窯

ひんぎゃと言って、下のコックを捻って蒸気で40分ぐらいで

食べ物を蒸し上げることが出来ます。

誰でも使えます。

 

このすぐ横に地熱サウナがあり、

入浴料350円で下に敷く大きめタオルも貸してくれます。

湯船もあります。

島外の人が入る時は、乗船名簿と同じような記入をします。

それだけ島に他の人が入ることが少なく、

小さい島ですが自然のまっただ中なので何かあった時のために

記録が必要とされています。

 


蒸気の上がる溶岩地層

 

丸山の稜線をぐるっとお鉢周りしてみました。

溶岩の地層からふつふつと蒸気が吹いています。

この池の沢地区に皆さん住まないのは、

やはり島の人の言う

「バリバリに生きてる火山に住んでいる」

という意識がいつもあるのだと思います。


外輪山から下った道

 

あれがさっき降りてきた外輪山につけられた道路です。


地図

 

おふじさま

 

内輪山、丸山の山頂、お富士様です。


丸山の火口をのぞむ

 

青ヶ島のキャンプ場は今も蒸気を出すこの丸山にあります。

泊まる人も少ないので、特に管理人はいないのと、

池の沢地区には人は住んでいません。そして何より飲用の水はありません

昔枯れることの無かった池は、噴火により蒸発し、

現在水道は完備していません。

外輪山の外側の唯一の集落、岡部地区に

タンク持参で水を貰いに行かなければならず、

歩くと片道1時間はかかります。

 

www.vill.aogashima.tokyo.jp

 

 

青ケ島立体地図

 

今回歩いたルート。

ざっとですがこれが現在通行出来るメインの道です。

(2019年4月。港から直接岡部に行く道は崩落により工事中です。)

 

あと青ヶ島でもっとも注意しなければいけない事は、

外科的処置の必要なケガと病気です。

病院がひとつありますが、お医者さんが何人もいるわけではなく、

緊急のヘリもすぐ来るわけではありません。

いくつも通行止めになっていることから分かるように、

周囲は急峻な崖で崩落がよく起こり、

島の人がいちばん心配するのは、来島者のケガ行方不明です。

島の人たちは皆さん知り合いで、通りすがりに挨拶するのが普通ですが、

キャンプに来て島の人と触れ合おうとしない人たちが、

入れない場所に入って行方不明になってしまうようなケースを一番心配されています。

捜索には当然島の方々が生活を犠牲にすることになります。

 

なのでいちばん良いのは民宿やレンタカーを予約して、港まで迎えに来てもらう。

そうでなければかなりな大変さを覚悟しなければなりません。

ちなみにご飯食べるところとかもありませんので気をつけましょう(^ ^)

 

 

 

実は以前のブログでもよく八丈島のガイドやキャンプ、

海の中での魚突きなどの記事を書いていたんですが、

青ヶ島は興味はあっても来ることがありませんでした。

島の写真を見る限り、

海に入ることが簡単には出来ないだろうと思ったからです。

 

それと昔、中学の若い男性の先生が青ヶ島の出身で、

水が甕に溜めた天水(雨水)しかなくて、

甕の縁をヒシャクでコーーーーン!と叩いて、

ボウフラが沈んだところをさっと水をすくうと聞いていたため、

スゴイところだと思っていたからでもありました。

(現在は集落には立派な集水施設があって、水の心配はありません。)

 

今回初めて青ケ島に来ることが出来、

渡航の困難さ、

島の歴史となにより住んでいる方々のあったかさに触れた旅でした。

 

今度はカルデラから見る星空を丸山のホカホカの斜面に

寝転がって見てみたいなあ〜〜

 

 

黒潮の激しい潮流に洗われ、

天候の急変に頻繁に見舞われるこの島では、

漁船は安全なところに仕舞われるという、

今までに見たことが無い仕組みが取られていました。

 

まさしく空を飛ぶ船だああああ

 

この次に来られることがあれば、ぜひこの港でも泳いでみたい!!!

お魚、お魚〜〜〜〜

夜のトビウオ漁のお手伝い(網から外す)もやっちゃいます〜〜(笑)

 

 

 

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